アトピー白内障は、青年期の罹患者に対して白内障手術の施行を余儀なくさせる疾患であり、調節力の喪失や網膜剥離の合併といった問題を引き起こす。本研究ではアトピー白内障の手術時に得られた線維化を伴う水晶体前嚢組織を用いて、網羅的遺伝子発現解析を施行し、新たなアトピー白内障関連遺伝子の検出を目的に研究を遂行した。 その結果、炎症性サイトカインIL-8, 細胞外マトリックスであるペリオスチン、ならびに脂質代謝関連遺伝子Xの発現がアトピー白内障の水晶体前嚢組織において亢進していることを発見した。これらの遺伝子は将来的にアトピー白内障の発症予防あるいは治療のターゲットとなりうると考えられた。
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