本研究は精神疾患に罹患している恐れのある住民に関する近隣苦情相談への保健師の対応方法を探求することを目的とし、前期中堅期以上の市区町村保健師11人に半構造化面接を行った。 その結果、保健師は苦情主の主訴を契機として本人の支援を開始し、本人や家族を脅かさないように信頼関係を構築していた。また、本人が地域で生活を継続できるように支援していた。保健師は、苦情主も住民の一人として支援し、精神疾患に対する偏見や誤解を改善するための情報提供をしていた。 本結果から保健師は苦情の的である本人を支援する糸口をつかみ、精神障害者に対する苦情主の理解を深めることに寄与する可能性が示唆された。
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