本研究の目的は、周産期医療システムにおいて、助産師を母体搬送コーディネーターとして活用するための教育プログラムを開発することである。平成26年度の実施内容は以下のとおりである。 1)昨年度作成した調査票を14都道府県の周産期医療システムに関わるコーディネーター、医師、救急隊に郵送し、本調査を実施した。調査内容は基本的属性、妊産婦の救急搬送に対する経験、知識、不安、コーディネーター(医師または救急隊)との連携についてである。調査の結果、コーディネーター39名、医師335名、救急隊294名より協力が得られた。妊産婦の救急搬送時に重視している情報において職種間で有意差がみられた。また、搬送(受入)に困難を要した経験や今後の課題についてはすべての職種で未受診妊婦に関連した問題が一番多かった。 2)コーディネーター12名に対し半構成的面接法を用いたインタビューを実施した。調査内容はコーディネートで困った事案や体験、連携してうまくいった事案や体験、それらに影響を及ぼしている要因、コーディネーターが日頃、円滑にコーディネートするうえで必要と考えている知識や技術についてである。分析の結果、周産期に関連した知識、他職種とのコミュニケーション能力の向上が課題であり、そのための研修や学習機会が求められていることが示唆された。 3)得られた結果から研究協力者と教育プログラムの内容を検討した。今後、冊子としてまとめ、関係機関へ冊子の送付を行う予定である。
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