我々は、リードスルー作用を有するジペプチド型抗生物質(+)-ネガマイシンに着目したナンセンス変異疾患治療薬創製研究を展開し、これまでに、比較的高い活性を有する誘導体TCP-112を見出すことに成功している。そこで、TCP-112のカルボン酸に着目した誘導化により、更なる高活性誘導体の獲得を目指した。その結果、カルボン酸をメタクロロベンジルエステルへ変換した誘導体に高い活性を有することを見出した。細胞評価系および無細胞タンパク質合成評価系の評価から、当該エステル構造はTCP-112の脂溶性を向上させ、担体性プロドラッグとして細胞内への移行効率の改善に寄与していることが示唆された。
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