本研究は,1310nmおよび830nmの2種類の波長を有するOCT装置を用いて,初期齲蝕病巣の検出を行うことを目的とし行った。試片としてヒトエナメル質を用い,人工初期齲蝕領域を作成し,計測を行った。その結果,1310nm, 830nmの波長ともに,エナメル質表層に作成した人工初期齲蝕領域の脱灰部位を,健全部に比べ輝度の高い領域として検出した。特に,830nmの波長は分解能に優れるため,エナメル質表層直下の信号検出に有効であった。以上のことから,初期齲蝕等の白班病変におけるエナメル質の脱灰程度を非侵襲的に検出するモダリティとしてOCTは有効であることが示された。
|