シンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルの作製のために、まず既報告の方法に基づいて乳酸オリゴマーグラフトゼラチンを作製した。次に作製した乳酸オリゴマーグラフトゼラチンを用いて難水溶性のシンバスタチンを水可溶化しシンバスタチンミセルを作製した。シンバスタチンの水可溶化には分子量1000の乳酸オリゴマーと等電点5.0の牛骨由来ゼラチンで作製した乳酸オリゴマーグラフトゼラチンを使用した。その後、シンバスタチンミセルを等電点9.0豚皮由来のゼラチンに内包しグルタルアルデヒドで化学架橋をすることでシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルを作製した。この時、グルタルアルデヒドの濃度を変化させることによってシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルの分解性をコントロールした。このさまざまな架橋度のシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルをin vitro でコラゲナーゼを用いて評価したところ、シンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルの分解とともにシンバスタチンミセルが徐放されていることが確認された。またグルタルアルデヒドの濃度によってシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルの分解性ならびにシンバスタチンの徐放性がコントロールをされていることも確認した。この時のシンバスタチンの定量はシンバスタチンの定量は吸光度計ならびに高速液クロマトグラフィーを使用し行った。これらのシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルを用いてマウス歯髄細胞からの象牙芽細胞分化に最適なシンバスタチンミセル含有ゼラチンハイドロゲルの分解性を検討した。
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