環境要因はエピジェネティクス制御機構を介して、脳機能に影響を与えると考えられる。本研究では、離乳期から隔離飼育したマウスが示す異常行動のエピジェネティクス制御機構を解析した。隔離飼育マウスでは背側縫線核において、GABAB1a(GABAB受容体サブユニットの1つ)の発現が増加していた。GABAB1aのプロモーター領域では、DNAメチル化の減少とヒストンH3アセチル化の増加が見られた。行動薬理学的検討から、背側縫線核のGABAB受容体が異常行動に関与することが示された。以上より、隔離飼育による異常行動に、背側縫線核GABAB1aのエピジェネティクス制御変動が関与していることが示された。
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