2種類炎症性腸疾患モデルラットにおいてDRGおよび腸管における炎症性関連サイトカイン、疼痛関連受容体、過酸化物質等の発現と内臓痛発症との関連を調べた。いくつかのサイトカインやTRPA1、H2O2の発現上昇が認められた。また、増加したH2O2はTRPA1を介して内臓痛覚過敏を誘発することが示唆された。TRPA1のアゴニストであるAITCを正常ラットの腸管に投与したところ、ラットの結腸運動と内臓疼痛行動の増加が確認された。腸管運動を司るアセチルコリンM3受容体のアンタゴニストはAITC誘発運動と疼痛行動を抑制した。以上の結果から炎症性腸疾患の発症に種々の因子が複雑に関与していることが示唆された。
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