本研究は、[研究1]として看護文献における‘寄り添う’あるいは‘寄り添い’の概念を明らかにする、[研究2]として緩和ケアに関わる看護師の‘寄り添う’経験を記述する、ことを目的に実施した。[研究1]では、計45文献をRogersの概念分析の手法を用い分析した。結果として、看護学分野における‘寄り添う’が、物理的に規定された場において、専門性をもつ看護職者自身の在り様を伴う、深い関係性に関する概念であることを明らかにした。 [研究2]では、1施設の5名の研究協力者を得た。1人1回平均51分の非構造化インタビューを行い、逐語録化し、現象学的に分析を行った。結果として、5名それぞれの経験を記述した。今後、‘寄り添う’ あるいは‘寄り添い’とpresenceとの概念の比較や、風土が違う他施設の看護師の‘寄り添う’経験を探る必要がある。
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