自己複製能と多分化能を有し、組織の恒常性を支える幹細胞は、生涯に渡って細胞の供給源として機能するために、様々な内因性・外因性のストレスに対して柔軟かつ的確に対応し、自身を維持していると考えられる。本研究では、マウス成体毛包のin vivoイメージングシステムを確立し、連続あるいは間歇的に、毛周期を通して毛包と周囲組織の細胞動態を1細胞レベルの解像力で観察することを可能とした。本技術を用いて、毛包の特定の幹細胞集団を人為的に消失させた時の修復応答を解析することにより、毛包には、幹細胞の枯渇や損傷に対して可逆的に細胞運命を転換し、一定の比率で幹細胞を維持するシステムが存在することが強く示唆された。
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