研究課題/領域番号 |
25893298
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高山 修 岡山大学, 学内共同利用施設等, 助教 (80650879)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 産婦人科学 / 発生工学 / 卵胞培養 / 細胞シート / 不妊治療 |
研究概要 |
本研究では、がん治療のための妊孕性温存や卵巣に眠る多量の生殖資源細胞を生殖補助医療で活用するため、体外でよりよい培養環境を構築するための人工卵巣構築の可能性を探っている。本年度は、細胞シートによる卵胞培養を行うため、まずマウス卵胞を用いて諸条件の基礎的検討を行った。細胞シートに使用した細胞種は、ES細胞のフィーダー細胞としても利用されるマウス胎児線維芽細胞を使用した。人工卵巣を3次元構築するため、培養環境下で細胞シートを積層することを試みるものの、積層そのものが難しく、また積層できても培養中にはがれるなど困難であったが、積層時に寒天やゼラチンを用いることにより、一定の割合で培養中にも積層状態を維持することが可能になった。マウスは、発生工学研究で多くの実績のあるB6D2F1マウスの10日齢を使用した。卵胞単離法は、酵素処理法、機械的単離法のどちらでも充分量の卵胞数が確保できることを確認し、機械的単離法によって得られた2次卵胞をの一部を積層した細胞シートの間で培養したところ、卵胞直径の増大がみられ、細胞シートによる卵胞培養が一定期間可能であることを確認した。細胞シートの積層法については今後も改良を続け、層数の増加や卵胞-細胞シート間の構造に工夫をするなど、検討していく予定である。また、細胞シートに用いる細胞の種類ならびに卵胞単離法については、より細胞シートに用いた卵胞培養に適した種類や方法が存在する可能性があり、さらなる検討が必要であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関の変更により、異動先での実験環境をセットアップすることに時間がかかってしまい、当初計画していた内容のすべて遂行するのが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
マウス卵胞培養によって詳細な基礎的検討を続けるとともに、ヒトへの臨床応用のため、マウス以外の動物種においても検討を行い、同様の結果が得られるかについて調査する。
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