研究課題/領域番号 |
25893303
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
船山 麻理菜 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 非常勤研究員 (30713599)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 医療 / 心臓血管外科 / 光刺激 / 組織工学 / 肺動脈弁 |
研究概要 |
生体反応によるコラーゲンのカプセル化現象を応用し、自己細胞のみで構成される代替心臓弁(Biovalve)は、組織の成長が期待でき内皮化も早いため、安全で再移植手術が不要かつ医療コストが削減可能な、理想的な移植用心臓弁となる。またBiovalve とステントを一体形成させたStent-Biovalveの開発に成功し、侵襲度が低い経カテーテル大動脈弁置換(TAVI)または経皮的肺動脈弁置換術(PPVI)に応用可能な医療機器とするため、動物移植評価を進めている。本研究では、自己細胞を活性化させる光刺激を応用し、完全な代替心臓弁を短期間で作製する促進技術を開発することを目的とした。 平成25年度は、光照射基材による組織形成率の向上検討を中心に取り組んだ。 1)光の放射照度、至適照射時間の検討、および光波長条件の選定を行うとともに、光照射基材内での照射域の条件検討を実施した。安定した組織が形成、ならびに臨床応用に向け実現可能な照射条件を検討した。 2)光照射基材プロトタイプの作製を目的として、生体適合性をもつシリコンを使用し、動物への負担を可能な限り軽減しながらも光強度を一定に制御可能な基材の作製を行った。 3)上記の光照射基材を実際にラットの皮下へ埋入し、光強度を一定に制御して形成された組織の膜厚、弾性率等の力学的性質の測定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビーグル犬への光照射基材による組織形成率の評価の点に関しては、光照射条件を満たす基材の改良をする必要がありやや遅れがみられるが、光照射基材の仕様設定に関しては、当初予定していた研究実施計画に添って性能試験まで進んでいる。以上より、LED体内照射による組織形成促進化技術の確立に向け研究はおおむね順調に進んでいると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
代替心臓弁用の光照射基材の設計検討に関して、組織形成域全体に至適照射が可能な基材検討が必要である。一方、犬への移植手技および組織評価系に関しては、すでに一定の評価系を確立しているため、今後は、ビーグル犬の肺動脈弁としての有用性を示す方向へ研究を推進し、動物実験により耐久性および性能を確認していく予定である。
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