研究実績の概要 |
今年度は昨年度に引き続きノルボルナン型人工拡散のモノマー合成を進めた。まず昨年度達成した核酸塩基の導入に続き、架橋構造構築の検討を行った。種々反応条件や保護基を検討したものの、目的とするノルボルナン骨格の構築には至らなかった。そこで架橋構造の構築を容易に行うべく、ノルボルナン骨格中の1つの炭素原子を酸素原子に置換した誘導体の合成に着手した。同様に市販のD-リボースを出発原料とし、文献 (Tetrahedron: Assymmetry 2002, 13, 1189; J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 6216.) に従って9工程で核酸塩基導入の前駆体を得ることに成功した。核酸塩基部の導入は光延反応によって容易に進行し、現在架橋構造の構築を検討している。
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