研究課題
これまでにPP形成に重要であることが知られていたcore binding factor beta (Cbfb) 2がPP-LTi細胞だけでなくNALT-LTi細胞、TALT-LTi細胞においても発現が認められることがわかった。CbfbはRunxタンパク質とヘテロダイマーを形成し転写制御に関与するタンパク質で、PP-LTi細胞の分化に関与することが知られている。今回、Cbfb2遺伝子欠損マウスを用いた解析により、Cbfb2はPPだけでなく、NALT、TALTの形成にも重要な役割を果たすことが明らかとなった。そのため、Cbfb2は粘膜関連リンパ組織形成において共通に用いられる必須の因子であると考えられる。しかしながら、Cbfb2の組織形成における作用機序はPPとNALT、TALTでは異なっていた。すなわち、NALT-LTi細胞、TALT-LTi細胞の分化はCbfb2遺伝子欠損マウスにおいても認められることがFACS解析により示された。しかしながら、Cbfb2遺伝子欠損マウスのNALT-LTi細胞、TALT-LTi細胞はそれぞれのリンパ組織原基に集積することができずに、鼻粘膜や涙道粘膜固有層部位に散在することが免疫組織学的解析により明らかとなった。さらに、PP形成においてCbfb2とヘテロダイマーを形成することでPP形成に関与するP1-Runx1はNALTやTALTの形成には必須でないことがKOマウスを用いた解析から明らかになった。また、昨年度までにNALT-LTi細胞とTALT-LTi細胞は、PP-LTi細胞に比べてGITRLや4-1BBLの発現が高いことを見いだしており、本年度は組織形成におけるそれらの分子群の機能について中和抗体やKOマウスを用いた解析を進めている。中和抗体についてはNALT、TALT組織形成が進む新生仔期に投与することでその後の組織形成に影響が出るか検討を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
巻: 未定 ページ: 未定