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2013 年度 実績報告書

血漿スフィンゴシン1-リン酸代用検査法としてのアポリポ蛋白M解析と臨床検査法確立

研究課題

研究課題/領域番号 25931005
研究機関東京大学

研究代表者

伊井野 潤子  東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
キーワード生理活性脂質 / スフィンゴシン1-リン酸(S1P) / アポリポ蛋白M(apoM)
研究概要

[目的]
スフィンゴシン1-リン酸(以下S1P)は, 細胞増殖作用, 細胞運動・形態調節作用など多彩な作用を及ぼす生理活性脂質であり, 臨床的には動脈硬化性疾患, 糖代謝疾患, 血液疾患, 神経疾患との関連が報告されている. しかし血漿検体サンプリングの困難さ, S1P測定の際の操作の煩雑さからS1Pの臨床検査への応用は難しく, 代用できる簡便な検査指標の確立が必要である. 今回われわれは, S1Pの輸送体, および代謝調節蛋白であるアポリポ蛋白M(以下apoM)に着目し, apoMがS1Pの代替バイオマーカーになるかを検討することを目標とした.
[成果]
1)apoMの測定法を確立するため, 市販のapoM ELISAキットを用いて血漿検体のapoMの定量を試みた. 検体の希釈倍率や基質の反応時間・反応温度を変えて検討を行ったが再現性力宝得られず, 正確な測定ができなかった. またapoMを過剰発現させた細胞上清にも反応しなかった. その原因として, キットに用いられている抗apoM抗体とapoMとの特異的反応が弱いことがわかった。
2)次に当研究室と試薬メーカーが共同開発したapoM ELISAキットを用いて, 血漿検体, apoMを過剰発現させた細胞上清を測定したところapoMが測定可能であり, 同時・日差再現性も良好であった. また患者検体においては11.8~53.7μg/mL (n=61)であった。
[意義]
本研究は, 公表されているいくつかの臨床研究で使用されている市販のapoM ELISAキットが日常臨床検査に求められる性能がない可能性があり, 研究計画が大幅に遅れてしまったが, 信頼できるapoMの測定系を確立することができた. 今後今回確立したapoMの測定系を用いて, S1PとapoMの関係の検討とともに, apoMの重要性について否定的な報告がでている疾患に関しても, 再検討する必要性があると考える.

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公開日: 2015-07-15  

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