今後の研究の推進方策 |
今後はSKタンクの水を抜いて水漏れ補修をおこない、その後に硫酸ガドリニウムを溶かして観測開始となる。水漏れ補修をいつ行うかについては、SKを使って現在進行しているT2K実験(東海-to-神岡長期線ニュートリノ実験)と協議しながら進めていく必要がある。SK実験グループとT2K実験グループとは平成27年度に以下の共同声明を作った。 On June 27, 2015, the Super-Kamiokande collaboration approved the SK-Gd project which will enhance neutrino detectability by dissolving gadolinium in the Super-K water. T2K and SK will jointly develop a protocol to make the decision about when to trigger the SK-Gd project, taking into account the needs of both experiments, including preparation for the refurbishment of the SK tank and readiness of the SK-Gd project, and the T2K schedule including the J-PARC MR power upgrade. Given the currently anticipated schedules, the expected time of the refurbishment is 2018. ここにはJ-PARC MR power supplyのupgradeが2018年(平成30年)に予想されると書かれているが、平成29年度のpower supply予算が認められなかったため、現時点ではpower supplyのupgradeが、「早くても平成31年」となっている。そのため平成30年度には6か月のT2K実験のビーム照射期間が予想されるが、SKタンクの水漏れ補修のためには約4か月の工事期間、2か月半の給水期間、そして約2か月の純水循環期間(純水の透過率が元通りになるまでの期間)が必要であり、この予定のままでは全部で8か月半かかってしまい、T2K実験のスケジュールと合わなくなってしまう。そこで、純水循環期間をなくすことができないか現在検討を進めている。具体的には、給水期間にタンク内の水を汲み上げて循環させることによって給水完了までに透過率をもとの状態に戻すという方法である。平成30年にタンクの水漏れ補修が終われば、平成31年に硫酸ガドリニウムを溶かして観測を開始することになる。そこで、本特別推進は平成31年度まで1年延長してしていただけるようお願いしたい。
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