研究課題
体内時計作用栄養学の視点で以下の実験成果を得た。2型糖尿病モデルマウスと、慢性腎疾患(CKD)モデルマウスを作成した。2型糖尿病マウスは肝臓の時計遺伝子の発現リズムの振幅が低下する傾向が見られた。これらのマウスに、ヒトの糖尿病食やCKD食を与えたところ、基本的には、体内時計の同調をもたらした。つまり、ヒトの糖尿病やCKDの治療食でも、末梢の体内時計は十分に同調させることが可能であることが分かった。夜食症のモデルマウスでは、うつ病の症状が出やすいことを見つけ、この作用には脳の5-HT2b受容体のリズム性の発現がかかわっていることを見出した。そこで、夜食症のヒトは体内時計がずれている可能性を調べた。4時間おきに4-5本の髭の毛母細胞からmRNAを抽出し、Per3、Rev-erbα、Rev-erbβ遺伝子発現リズムを評価した。その結果、睡眠後退者の髭の時計遺伝子発現は有意に後退したが、正常者や夜食症は後退せず、位相は個人差が大きかった。次に、日勤務者、1日の徹夜者、8時間おきのシフトワーク者に分類し、時計遺伝子発現リズムに変化があるか否かについて調べた。その結果、一過性の徹夜勤務では遺伝子発現にはほとんど影響を及ぼさず、シフトワーク者はリズムの位相が大きく乱れ、また、遺伝子発現の絶対量が低かった。つまりシフトワークは体内時計に負荷がかかることが明らかになった。イヌリンや菊芋などの水溶性食物繊維を豊富に有する食材は、血糖値の増加を抑制し、腸内細菌の多様性をもたらすことが知られている。そこで、粉末菊芋5gを朝食時に摂取するか、夕食時に摂取するかを夫々15名の被験者に介入試験した。その結果、朝の摂取は、24時間の血糖値の上昇を抑止し、さらに昼食・夕食の血糖値の上昇を抑制した(セカンドミール効果)。また、便秘指数も朝摂取が改善させ、腸内細菌に対する作用も朝摂取で顕著であった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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