研究課題
①メカノ心臓再生医療1. ストレッチ・シェアストレス負荷vascularized心筋ブロックの作成:ラット胎児心臓から単離した心筋細胞を用いて予備実験を行った。単離心筋をゲル状培地上で培養し、自律的に収縮する心筋組織の取得に成功した。この組織に伸展刺激を負荷することにより、組織の収縮能が増強されることを確認した。共焦点顕微鏡を用いた観察により、伸展刺激を負荷した心筋では収縮タンパクの密度が高いことを確認した。2. 培養心筋ブロックの力学機能評価の予備実験として、カーボンファイバーを用いた心筋細胞の力学評価を行った。亜急性の伸展刺激(5分程度)によって起こる緩やかな張力増加(slow force response: SFR)におけるカルシウム動態の変化を確認し、そのときの筋小胞体カルシウム容量の変化を確認した。②メカノ生殖補助医療:生殖補助医療における新規治療デバイスの開発マウス二細胞期胚から胚盤胞まで体外で培養する際に、静置培養で培地成分の違いやメカニカルストレス (MS) の有無による遺伝子発現の違いを網羅的に解析した。培地の差異とMSの有無により、胚発育、細胞死、環境ストレスに関与する幾つかの遺伝子発現に有意差や特異的差異がみられた。
2: おおむね順調に進展している
①メカノ心臓再生医療1. ストレッチ・シェアストレス負荷vascularized心筋ブロックの作成:ラット胎児心臓から単離した心筋細胞を用いた予備実験により、3次元的に細胞を培養する技術、およびその組織に伸展刺激を負荷する技術が確立された。②メカノ生殖補助医療:生殖補助医療における新規治療デバイスの開発次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析に必要な初期胚からのmRNA抽出が可能となり、解析が可能なデータが得られたために、メカノ生殖補助医療に関する効果を議論できる下地ができたと考えている。
①メカノ心臓再生医療1. ストレッチ・シェアストレス負荷vascularized心筋ブロックの作成:ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)を心筋細胞に分化させ、3次元培養組織を作成する。この組織に血管内皮細胞を加え、血流を与えうる組織を構築する。その際、伸展刺激およびシェアストレスを負荷することにより、組織形成の効率化を促す。2. 培養心筋ブロックの力学機能評価の予備実験として、心室内膜側と外膜側心筋細胞の力学評価を行い、機能的培養組織の力学機能条件を確認する。②メカノ生殖補助医療:生殖補助医療における新規治療デバイスの開発マウス体外受精胚の網羅的遺伝子発現解析結果が得られており、そのデータの解析を平成27年度に行う。体外受精胚とmating胚における遺伝子発現の違いに着目して、体外培養における効果を検討するとともに、今後マイクロアレイで解析すべき遺伝子ターゲットを絞る。また、これまでマウス受精卵に負荷したMSは卵管内MSとほぼ同じであるため、静水圧等のより大きなMSを負荷した際の応答を検証する計画である。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 7件、 査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
人工臓器
巻: 43(3) ページ: 206-208
http://doi.org/10.11392/jsao.43.206
Am J Respir Cell Mol Biol
巻: 51(6) ページ: 772-782
10.1165/rcmb.2014-0008OC
Biochem Biophys Res Commun
巻: 453 ページ: 101-105
10.1016/j.bbrc.2014.09.063
PLoS One
巻: 9(7) ページ: e102778
10.1371/journal.pone.0102778
Pharmacology Research & Perspectives
巻: 2(5) ページ: e00068
10.1002/prp2.68
巻: 9(7) ページ: e102796
10.1371/journal.pone.0102796
Nat Commun
巻: 29(5) ページ: 3932
10.1038/ncomms4932
http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/phy2/GASR/