研究課題
睡眠は動物に普遍的に認められる行動であり、哺乳類ではノンレム睡眠およびレム睡眠に分けられる。睡眠量には一定のセットポイントがあり、睡眠覚醒の恒常性が保たれると考えられているが、その機序は不明である。われわれが同定したSleepy遺伝子とDreamless遺伝子の解析を通じて睡眠制御の分子機構解明を目指している。1.各種CreドライバーマウスとSleepy遺伝子改変マウスの交配を継続し、睡眠覚醒行動の解析を開始した。鋭意個体数増加に努めている。2.Quantitative phosphoproteomic解析を行った。野生型マウス脳とSleepy変異マウス脳の違いを解析している。3.Cre依存的Dreamless変異欠損マウスを新たに作製し、CRISPR法によってloxP配列を挿入できた。4.Dreamless遺伝子に、ENUスクリーニングによって見出された変異を導入した。ENUスクリーニングによって樹立したDreamless変異マウスと同様のレム睡眠の異常を再現できた。5.野生型および変異型Dreamless蛋白を発現させて、パッチクランプ法による解析を行った。イオンコンダクタンスの差異が確認された。
2: おおむね順調に進展している
研究概要の実績欄に記載したように、Sleep遺伝子およびDremaless遺伝子について、年度当初の計画を着実に達成している。2年目までに結果が出る計画としては、CRISPR法によるDreamless遺伝子変異の導入によって、睡眠異常を再現でき、遺伝子異常がレム睡眠異常を引き起こしていることを示すことができた。
研究計画通りに進行しており、Dreamless遺伝子変異の睡眠因果性が確認されたことで、Dreamless蛋白質の機能解析およびDreamless変異マウスの行動解析の意義が担保された。当初の計画をより発展させて、初代神経培養を用いた研究を行い、Dreamless蛋白の神経細胞での局在を明らかにしていきたい。Sleepy遺伝子については、プロテオミクス研究から基質または結合する分子の有力候補が得られれば、遺伝子改変マウス作製を検討していく。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件) 産業財産権 (3件) (うち外国 2件)
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