研究課題
1. マイクロ波量子光学の基本ツールのひとつとして、マイクロ波タイムビン量子ビットの生成とその評価を行った。超伝導量子ビットと共振器の結合系をパラメトリック駆動することにより、タイムビン量子ビットを生成し、伝搬モードの量子トモグラフィにより評価し、90%程度の変換忠実度を得た。2.空洞共振器を介して超伝導量子ビットと結合したミリメートルサイズのイットリウム鉄ガーネット球の中に励起された単一のマグノンをシングルショットで計測する技術を開発し、測定効率70%を得た。3.表面弾性波共振器中のフォノンと超伝導量子回路が結合した系において、オプトメカニクスの分野で一般的な2次の非線形相互作用である輻射圧相互作用を実現した。SNAILと呼ばれる、複数のジョセフソン接合を用いた回路に対して外部磁場バイアスを調整することにより、その非線形性の次数を制御し、通常の超伝導量子ビットでは3次の非線形性が支配的なのに対し、2次の非線形性が支配的になるような状況を実現した。その結果、ピエゾ効果により表面弾性波共振器中のフォノンによって誘起される交流電流が、超伝導回路の非線形性を駆動し、非線形な相互作用を生み出した。この人工輻射圧相互作用は、従来のオプトメカニクス実験における輻射圧相互作用よりもはるかに大きく、超伝導回路上のマイクロ波光子1光子のみで、フォノンの量子限界測定が可能になる、単一光子量子領域を世界で初めて実現した。4.オンチップ光導波路や光共振器を表面弾性波共振器と結合し、光領域の光子と表面弾性波フォノンの間の光弾性相互作用を用いて、光子とフォノンの間のコヒーレントな結合を実現することを目指す研究を行った。光共振器と表面弾性波共振器の結合系においてはブリルアン散乱における3重共鳴効果を観測し、協働係数の増大をみた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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