研究課題
慶應義塾大学では、ダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)中心の光磁気評価と量子センシング応用実験を続行した。最終年度の研究実施計画書に記載した目標の通り、単一NV中心センサーによる核スピンの分極とラジオ波による核磁気共鳴操作を駆使し、単一NV中心に対する核スピンの方向、距離、核種の決定を実験的に成功した。本研究の手法は、最新の測定法である量子ヘテロダイン法と併用が可能であり、先行研究において理論提案されていた他の位置決定手法と比較しても高分解能・高感度な点で優れる画期的な方法である。これはダイヤモンド表面に配置した分子の構造イメージングというナノスケールMRIの究極目標に対して必須の技術であると同時に、世界初、そして日本オリジナルのダイヤモンドNVセンシング手法であり、大きな成功である。産業技術総合研究所においては、研究分担者・渡邊が化学気相成長法を用いたC-12ダイヤモンド薄膜成長とN-15ドーピングを続行した。大阪大学においては、研究分担者・原田が、ダイヤモンド中のNV中心を用いて、生体試料内部の温度及び磁場をイメージングする研究を続行した。温度イメージングにおいては、局所温度の測定に適したダイヤモンドナノ粒子を用いた実験手法の開発を進め、細胞内での温度分布を1℃以下の精度で明らかにするとともに、細胞内環境パラメーターの変化に対しても再現性のある安定した温度測定ができることを明らかにした。磁場測定においては、NV軸方向を揃え且つNV濃度の高いダイヤモンド基板を用いることで、その表面に散布した磁性微粒子が作る磁場の分布を高感度且つ高分解能でイメージングする手法を開発し、磁気シミュレーションによる最適化を行った。関西学院大学においては、研究分担者・鹿田が、センシング素子の目的に合わせて必要とされるダイヤモンド微細加工を担当した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 5件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 11件、 招待講演 9件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
RSC Advances
巻: - ページ: -
Appl. Phys. Lett.
巻: 114 ページ: 022404-1-5
https://doi.org/10.1063/1.5079925
Phys. Status Solidi A
巻: 215 ページ: 1800254-1-7
https://doi.org/10.1002/pssa.201800254
Nature Communications
巻: 9 ページ: 4678-1-8
https://doi.org/10.1038/s41467-018-07121-0
npj Quantum Information
巻: 4 ページ: 54-1-6
https://doi.org/10.1038/s41534-018-0105-z
Biophysics and Physicobiology
巻: 15 ページ: 229-234
https://doi.org/10.2142/biophysico.15.0_229
Phys. Rev. B
巻: 98 ページ: 155201-1-9
https://doi.org/10.1103/PhysRevB.98.155201
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 14773-1-9
https://doi.org/10.1038/s41598-018-33041-6
巻: 98 ページ: 121405-1-6
https://doi.org/10.1103/PhysRevB.98.121405
巻: 113 ページ: 082405-1-5
https://doi.org/10.1063/1.5024401
巻: 4 ページ: 39-1-6
https://doi.org/10.1038/s41534-018-0089-8
Nat Nanotechnology
巻: 13 ページ: 933-940
https://doi.org/10.1038/s41565-018-0202-3
Bioconjug Chem.
巻: 29 ページ: 2786-2792
10.1021/acs.bioconjchem.8b00412
Nanotechnology
巻: 29 ページ: 28LT01-1-9
https://doi.org/10.1088/1361-6528/aac04b
巻: 8 ページ: 5463-1-8
https://doi.org/10.1038/s41598-018-23635-5
https://www.appi.keio.ac.jp/Itoh_group/index.html