研究課題
宇宙の大規模構造に沿って広がると考えられる温度100万度程度の未検出プラズマ、すなわちダークバリオンの直接観測を行うX線天文衛星Super DIOS (Diffuse Intergalactic Oxygen Surveyor)を2030年代初頭に実現することを目指して、X線マイクロカロリメータ 、冷却系、X線望遠鏡の開発、およびサイエンスの検討を進めた。世界初のマイクロカロリメータと冷却系を搭載し、2016年に約1ヶ月稼働したX線天文衛星ASTRO-H (「ひとみ」: 本研究代表者がプロジェクトサイエンティスト)について、衛星全体を紹介する論文が2018年度JATISに出版された。さらに将来へ向けて多素子のTES型カロリメータの開発を進めたほか、NIST製の素子を用いた地上試験によりTESカロリメータの実用化への道を広げた。製作方法ではTESを高い集積度で駆動するために積層配線という新たな製作技術に目処をつけ、地上実験はJ-PARCにおけるK中間子Heの特性X線を高精度で決める実験、SPring-8におけるX線吸収構造XANESによる物質分析の実験などを行い、よい成果を得ることができた。また、オランダSRONのTESアレイと組み合わせることで、GHz帯での40画素同時多重化読み出しによってエネルギー分解能3.3 eVを得た。軽量のX線望遠鏡の開発では、サブナノの表面粗さと15 秒角程度の角度分解能 (小片平板、1 回反射) という成果を得た。また広視野X線分光による銀河・銀河団の新たなサイエンスの検討を進め、2019年度にはJAXA宇宙研によって、将来衛星をめざしたリサーチグループ (代表:佐藤浩介) を新たに立ち上げることが認められた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
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http://www-x.phys.se.tmu.ac.jp/home/wp/