研究課題
(1)昨年度実現した量子非破壊測定と制御NOTの性能を評価し、前者では89%の高忠実度(材料がSiの場合99.9%以上に相当)、後者では操作時間が短く(5.5ns)、高忠実度が得られることを確認した。また同じく実現した非隣接ドット間の量子もつれ生成の機構を解明した。他に量子テレポーテーションの原理確認、4重ドットでのスピン相関の制御法の提案と技術開発を終えた。Si量子ドットにおいて高忠実度のもつれ形成に成功した。(2)表面弾性波で動く量子ドット中の電子対の実験は、冷凍機移設などによって電流雑音測定系の開発継続が困難となったため、動く量子ドット中の電子のコヒーレンスを確認する干渉実験を進めた。同実験から、軌道を含めた電子のコヒーレンスが長距離保存されることを見した。グラフェン-超伝導接合に関しては、ジョセフソン接合における磁場周期異常の要因解明が現状では困難と判断し、中断した。(3)二重ナノ細線と超伝導体接合ではゲート掃引の安定性を改善し、また、近接領域のゲート制御に成功した。超伝導体とBiSbTeとのジョセフソン接合の測定を行い、超伝導電流のゲート操作に成功した。また、電流位相関係と関連したシャピロステップの測定を行ったが、基板の大きな誘電率のためにマヨラナ粒子の兆候は得られなかった。(4)相関測定の精度確保のため、光学系を改良し、光電子生成率を一桁程度改善した。また、二つの光電子のスピン検出の準備として、二重ドットの2スピン状態の動特性を完全計数統計の手法で調べ、スピン反転に起因する統計的特徴を明らかにした。この際、フォノンによる新しいスピン反転機構を見出した。(110)GaAs 3重量子ドットと電荷検出を実現し、重い正孔励起による高効率量子状態変換の実証に向けて準備を終えた。高効率変換が期待できる試料としてInAsドットの研究を開始し、電荷検出技術を開発した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
(1)日経産業新聞朝刊6面「量子もつれ、離れた時でも」2018年6月15日 (2)電子デバイス産業新聞3面「量子ドット通信技術伝送向上へ新手法」2018年9月20日 (3)日刊工業新聞25ページ「微細な半導体量子ドット 阪大、電子1個の出入り検出」9月20日 (4)フジサンケイビジネスアイ12面「半導体量子ビットによるハイブリッド量子計算手法の実証」2019年1月17日
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 10件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (86件) (うち国際学会 40件、 招待講演 33件) 備考 (2件)
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