研究課題
新規機能性ナノ構造体の研究として、配位プログラミングの概念に基づき、一次元錯体分子ワイヤの作製とレドックス伝導や光伝導、生体光合成コンポーネントPSI, PSIIと人工分子のハイブリッド系からなる光機能素子の開発、二相界面錯形成反応で生成する機能性配位二次元ナノシートの新規構造体の作製、構造・物性解明、ならびに光電変換素子、エレクトロクロミック素子、電気化学触媒、二次電池正極材料への応用、および新しいコンセプトでの光・電子・磁気機能を示す分子群の創出を行った。具体的には、以下の4点が当該年度の主たる研究成果である。(1) ビス(ジピリナト)亜鉛錯体を適切なヘテロレプティックな構造にすると、発光量子収率が向上することを見出した。この現象を活用し、ヘテロレプティックな構造を導入した単一ポリマーワイヤの合成を行い、その発光特性とヘテロ構造の導入率との関係を明らかにした。(2) 金属錯体を触媒とする二相界面での二次元物質合成法の開発を行い、結晶性グラフィジインおよびクリックナノシートを作製した。(3) グラフェンゲートFETとPSIおよび金ナノ粒子との組み合わせによる新しい構造のフォトセンサの作製に成功した。この際に、界面活性剤の添加による高感度化を実現した。(4) bisPyTMとCu(II)イオンからなる一次元鎖錯体において、Cu(II)のJahn-Teller歪みと軌道自由度がカップルした結果、スピンの再配置とpi電子系の変化を伴うユニークな物性を示すことを見出した。また、発光ラジカルPyBTMをドープした分子結晶において、0.05wt%ドープ結晶が室温で高効率で発光すること、また10wt%ドープ結晶が低温において印加磁場に応答する発光を示すことを見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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