研究課題/領域番号 |
26220905
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 健一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00377805)
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研究分担者 |
菊池 和朗 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50134458)
神野 正彦 香川大学, 工学部, 教授 (10503550)
長谷川 浩 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40323802)
森 洋二郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10722100)
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研究期間 (年度) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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キーワード | フォトニックネットワーク / 光クロスコネクト / 光通信 / コヒーレント / エラスティックネットワーク / 光パス / 波長多重 |
研究実績の概要 |
(1) フレキシブル超大容量光ノード構成技術 27年度に開発したグループドルーティングを利用する新しい転送方式とこれまでに検討した大規模に拡張可能なノードを統合し運用した場合の特性を詳細に評価し,伝送路コスト並びにノードコストを同時に削減可能であることを明らかにした。これらの実現は,既存のハードウエアを用いて,新たなコントロールを導入することにより可能であるため、効率的な導入が可能であることを明らかにした。 (2) フレキシブルコヒーレント光伝送技術 高密度周波数多重コヒーレント光通信システムへの適用を目的として,12.5GHz間隔の周波数グリッドに半導体レーザ光を絶対周波数安定化する装置を開発するため、FSR=12.5GHzのエタロンのピークのそれぞれに,複数のレーザ光の周波数を安定化できる装置を2台試作した。現在,絶対周波数安定度の測定を継続している。 (3) エラスティック光パスネットワーキング技術 多次元の自由度を駆使したフレキシブルネットワークアーキテクチャを実現するために、波長多重軸(WDM)と空間多重軸(SDM)の2次元の自由度を駆使したWDM-SDM ネットワークにおいて、光ノードに必要な接続性と必要な ハードウェアの複雑 性の関係、ならびに空間スーパーチャンネルの粒度について検討した。また 各種のSDMファイバに適応可能なSDM用波長選択スイッチとこれを用いた光ノード アーキテクチャを考案し、特許出願するとともに、光ファイバ通信の主要国際会議であるOFC 2016においてそ発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
フレキシブル超大容量光ノード構成技術に関しては、ノードのexpress swtich部のみで無く、add/drop部の検討も進展させ,express部のルーティング機能を利用することにより、効率的なadd/drop部を構成できることを、始めて定量的に明らかにした。 フレキシブルコヒーレント光伝送技術に関しては、高密度周波数多重コヒーレント光通信システムの検討においては、FSR=12.5GHzのエタロンのピークのそれぞれに,複数のレーザ光の周波数を安定化できる装置を2台試作した。試作は順調に進み,現在絶対周波数安定度の測定を継続している。 エラスティック光パスネットワーキング技術の検討においては、SDMファイバとWDM-SDMネットワークの研究動向の分析に基づき、WDM-SDMネットワークとこれを支える光ノードに対する要求条件の整理と、これを満足するSDM用波長選択スイッチとこれを用いた光ノードアーキテクチャの考案と権利化を済ませている。また、これと並行して、空間光学系設計ソフトを用い たSDM用波長選択スイッチ光学系の基本設計と、キー部品であるLCoSベースの空間光変調器の基礎回折特性の測定を完了させた。 本年度の研究で得られた結果は、同領域で最も権威があるOFCやECOC等の国際会議で多数の発表を行い、世界的にも高く評価された.これらを総合し,当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
フレキシブル超大容量光ノード構成技術に関しては、各種のサブシステムモジュラー構成に検討範囲を拡げ,所要ノード規模に応じた、最も効率的な構成を評価する。また,これまで想定していたデバイスのみでなく、新たなデバイスを想定したノード構成も評価する。 フレキシブルコヒーレント光伝送技術に関しては送信用レーザと受信端のLOを別々のエタロンに周波数安定化し,両者のビート周波数変動を分析することにより,レーザ光の絶対周波数の安定度評価を行う。さらにビート周波数の安定化により,ディジタルコヒーレント受信機のDSP回路を簡素化できることを示す。 エラスティック光パスネットワーキング技術の検討においては、考案したWSSの試作と基本動作の確認と基本特性の測定を、バルク光学系を用い てまず実施する。次に、平面導波路技術に基づく空間ビーム変換素子の採用を検討し、小型化と多ポート化に取り組む。また、1芯双方向・非対称帯域の WDM-SDM構成の可能性についても検討する。
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