研究課題/領域番号 |
26221004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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研究分担者 |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10633141)
一條 裕之 富山大学, その他の研究科, 教授 (40272190)
依馬 正次 滋賀医科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60359578)
三輪 佳宏 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70263845)
杉山 文博 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90226481)
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研究期間 (年度) |
2014-05-30 – 2019-03-31
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キーワード | 応用動物 / バイオテクノロジー / 動物 / 遺伝子 / 応用科学 |
研究実績の概要 |
1. 近赤外領域に蛍光波長を有するモニターマウスの開発:生体では650~900nmの光が最も吸収が少なく、光学的な窓(Biological Optical Window)と呼ばれている。この光学的な窓に励起特性と蛍光特性がある蛍光タンパク質であるiRFPを用いた蛍光観察法を確立した。iRFを全身で発現するトランスジェニックマウスを作製したところ、各臓器からiRFPの蛍光を観察することができた。 2. 反復して時期特異的に観察できるiRFPの開発:申請者らが開発した「デグラトン(Deg)プローブ」を用いて、通常は分解されるがTet添加時のみ蛍光を検出できるDeg-iRFPを開発し、反復して時期特異的に蛍光が観察できるin vivoイメージング技術の開発を試みた。様々な構築を解析したところ、分解を調節できるiRFPを作製することができた。 3. 蛍光観察を阻害するメラニン色素のオーダーメイド阻害法の開発:マウスを用いた研究ではC57BL/6マウスが標準系統として用いられているが、黒毛のため蛍光によるイメージングが難しかった。そこでCRISPR/Cas9システムを用いて、既に確立されたC57BL/6J背景の遺伝子改変マウスのTyrosinase遺伝子に点突然変異をオーダーメイドで導入してアルビノ化する技術を開発した。その結果、点突然変異を有するアルビノC57BL/6Jマウスを高効率で作製することができた。 4. 蛍光観察を阻害する体毛のオーダーメイド阻害法の開発:マウスの蛍光による観察の場合には、体毛は阻害因子となるため、多くの研究者は体毛を剃って観察している。そこでCRISPR/Cas9システムを用いて無毛変異をオーダーメイドで導入できる技術の開発を行った。自然変異として知られているHairlessマウスに同定されている変異を導入することで、無毛のマウスを作製する技術を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は基盤技術の開発を中心に実施したが、iRFPトランスジェニックマウスの開発、デグラトン-iRFPの開発、オーダーメイドのアルビノ化、無毛化技術を開発することができ、基盤技術を確立することができた。研究計画は順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度確立した基盤技術を用いて、当初の研究計画の通り様々な病態をモニターできるマウスの開発へと発展さたい。
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