寿命と発生を制御するシグナル伝達ネットワーク

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 26221101
• 研究種目: 基盤研究(S)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 機能生物化学
• 研究機関: 国立研究開発法人理化学研究所 (2018); 京都大学 (2014-2017)
• 研究代表者: 西田 栄介 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, センター長 (60143369)
• 研究期間 (年度): 2014-05-30 – 2019-03-31
• キーワード: 寿命 / 発生 / シグナル伝達

研究成果の概要

線虫において、外因性ストレスによる寿命延長等の獲得形質が次世代に継承されることを見出し、その分子機構を明らかにした。さらに、飢餓ストレスによる寿命延長に関与する因子を複数見出した。また、アフリカツメガエル初期胚において、繊毛細胞分化を制御するシグナル伝達経路を見出した。生きたマウスの腸上皮に遺伝子を導入する方法を開発し、Hippo経路が幹細胞・前駆細胞の増殖と杯細胞への分化の双方を制御することを示した。

自由記述の分野

生化学、細胞生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

外因性ストレスによる寿命延長等の獲得形質の次世代への継承は、線虫のみならず動物一般の生存戦略のひとつである可能性が考えられ、そのメカニズムの解明は意義深い。また、ヒト生理機能にも必須となる繊毛細胞の発生に関与する、一連のシグナル伝達経路を明らかにすることができた。さらに、我々が開発したマウス腸上皮に遺伝子を導入する方法は、スイス連邦工科大学ローザンヌ校との共同研究に発展するなど、国際的な注目を集めた。