研究課題
本震直後からの余震の確率予測をリアルタイムで実施する研究で大きく前進した。欠測率(検知率)の変化をモデル化して,余震活動の時空間的発生率を算出して,余震発生確率の地域性をリアルタイムで示す方法をまとめた。更に、余震活動が,中長期的に,大余震を頻発するものか本震より有意に小さな余震が続くのか,できるだけ早い機会(例えば本震後1日)からETASモデルを使って識別し,その確率の予測法を実現した。前震の時間・空間・マグニチュードの識別予測モデルを構成し,確率予測を実施する方法をまとめた。日本周辺の実データと時空間ETASモデルのシミュレーションデータによる予測実験結果と比べ、予測力の評価を行った。前震の統計的識別モデルは大地震発生の確率予測の実効率(確率利得や情報利得)を上げることに有意であることが実証された。プレート境界での「小繰り返し相似地震」を解析する非定常時空間Brownian Passage Time(BPT)ベイズモデルの開発し、カルフォルニアのサンアンドレアス断層パークフィールド周辺の「ゆっくり滑り」の時空間トモグラフィーを計算し、その再現性と誤差評価をシミュレーションデータで実証した。東北地方太平洋沖地震に誘発された日本各地の群発地震活動に関係する流体圧の変化解析に有効な非定常ETAS モデルの開発に関しての高度化を進めた。
2: おおむね順調に進展している
上記課題を中心に、見込みどおり順調に進み、学会発表、論文掲載で一区切りをつけることが出来た。
全世界にわたる前震の確率予測をリアルタイムで実施する。さらに前震識別と階層的時空間ETASモデルの混合型予測モデルによって、CSEPの検証形式に則った予測向上を示す。深さを考慮した3次元時空間モデルによる首都圏直下の地震活動の長中期予測を行う。非定常ETASモデルで火山性群発地震を解析し測地データと合わせて,火山性群発地震からマグマの移動などの解析をし,噴火や火山活動終息の確率予測を試みる。確率予測に必要な統計ソフトウェアベータ版を、関連する統計地震学者に公開する準備を進めている。また本科研費研究グループによって、地震の確率予測実用化の研究課題について、統計数理特集号「地震予測と統計モデル」というタイトルで論文掲載し、今年度中に出版し地震関連コミュニティに配布する。
科研費グループの成果リストと研究ニュースを随時更新している。
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すべて 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (62件) (うち招待講演 13件) 備考 (1件)
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