研究課題
東伊豆で過去20年間断続的に起きている火山性群発地震群に非定常ETASモデルを当てはめるとバックグラウンド地震発生率の変化が気象庁東伊豆体積ひずみ計データの変化の線形回帰に対して、ほぼ半日遅れで同期しており、群発地震の正確な短期予測に有効であることを発見した。このことは測地データと合わせて,火山性群発地震からマグマの移動、ゆっくり滑りや、流体の貫入などによる群発的地震活動の定量的な研究と確率予測に有効であることを示した。合衆国USGS地質調査所によるネパールの大地震直後からのリ準アルタイム余震確率予報によると、1週間後の最大余震の確率は予測として小さすぎた。これに使ったリアルタイムデータにETASモデルを当てはめると余震活動が予測通りでないことが分かる。これは相対的な静穏化という余震活動異常を考慮して予測する必要があることを示した。本科研費研究グループによって、地震の確率予測実用化の研究課題について、統計数理特集号「地震予測と統計モデル」というタイトルで論文集を出版し地震防災関連コミュニティに配布した。また確率予測に必要な時空間階層ETASモデルなどのベイズ的モデルの統計ソフトウェアベータ版を世界の関連する統計地震学者に公開した。これらを使用してもらい今後の改良、高度化に資する。確率予測に必要な時空間階層ETASモデルなどのベイズ的モデルの統計ソフトウェアベータ版を世界の関連する統計地震学者に公開した。これらを使用してもらい今後の改良、高度化に資する。
2: おおむね順調に進展している
上記課題を中心に、見込みどおり順調に進み、学会発表、論文掲載等をすることが出来た。
「小繰り返し相似地震」を解析する非定常時空間Brownian Passage Time(BPT)ベイズモデルの高度化によって、北海道、東北、関東沖の太平洋プレート境界における各地域の滑りの時空間トモグラフィーを計算し、先行研究のGPS逆解析の解と比べる。全世界の前震確率予測をリアルタイムで実施できるようにする。さらに前震識別と階層的時空間ETASモデルの混合型予測モデルによってCSEPの検証形式に則った予測の向上を示す。深さを考慮した階層的3次元時空間ETASモデルを作成して首都圏直下100kmまでの地震活動の短期、長中期予測を行う。本震直後からの余震の確率予測を編集されていない、自動震源決定システムの、不安定解震源のもとでもリアルタイムで速報予報を実施できる統計的研究を完成させる。活断層データに基づく政府の地震調査委員会の長期地震予測にはブラウン運動到達確率過程間隔分布の更新過程モデル(Brownian Passage Time, BPT, model) を使って確率を予測している。パラメータは2つあり,地震の再来平均時間隔のμ値と時間隔のバラツキの項α値である。後者は,隣近辺の地震発生の影響を受けて、活断層地震がどの程度に発生が早やまったり遅まったりしているかということを示す物理的な指標である。このパラメータα値をベイズモデルで求め地域差があることを示した。かつ、地震調査委員会による予測確率との系統的な違いについて議論する。[追加目標]本報告書作成中に熊本地震M6.5及びM7.3が連続して起きた。これらの地震の確率予測はどうだったのか、余震の確率予測はどのように経緯したのかまとめる。
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すべて 雑誌論文 (26件) (うち国際共著 25件、 査読あり 23件、 オープンアクセス 16件、 謝辞記載あり 14件) 学会発表 (92件) (うち国際学会 55件、 招待講演 9件) 備考 (3件)
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