研究課題/領域番号 |
26240012
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
白鳥 則郎 早稲田大学, 理工学術院, 客員教授 (60111316)
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研究分担者 |
嶋本 薫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80235639)
菅沼 拓夫 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70292290)
柴田 義孝 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (80129791)
和田 友孝 関西大学, 工学部, 准教授 (20314560)
JIANG Xiaohong 公立はこだて未来大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00345654)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ネットワークアーキテクチャ |
研究実績の概要 |
平成27年度は、下記研究課題について実施した。 1.ネバーダイ通信技術の研究開発--(1)ネバーダイ通信技術(A):災害環境適応型時空間分割通信プロトコルの設計と災害環境認識機構への実装を行った。(2)ネバーダイ通信技術(B):プロトタイプシステムを用いた基礎実験を行い、ネバーダイ通信を実現するための基本アーキテクチャの構築を行った。また本アーキテクチャを発展させて固定局型ネバーダイネットワークのプロトタイプを構築し、その有効性を実証した。 2.パッシブ型グリーンICT技術の研究開発--(1)環境適応型ネットワーク制御技術:環境負荷監視技術と消費電力推定技術の評価実験を行うと共に、自律的制御技術の実装を進めた。(2)G-MIBの国際標準化:引き続き議論や研究開発を進め、G-MIBのアップデートを行い、国際標準化を目指している。 3.グリーン/ネバーダイ融合型ネットワークモデルとアーキテクチャ--(1)グリーン/ネバーダイ融合型ネットワークモデルの研究開発:融合型ネットワークモデルとアーキテクチャの実装を行った。(2)融合型モデルのプロトタイプ「緊急避難支援システム」:人間の位置・移動方向推定アルゴリズムの実装とプロトタイプシステムの構築を実施した。 4.基盤技術の確立とまとめ--引き続き分担者との議論を進め、各成果をまとめ、評価用アプリケーションの開発を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
全体的に概ね順調に、当初計画通りに研究開発が進捗している。 加えて、「1.(2)ネバーダイ通信技術(B)」については、基本アーキテクチャを発展させて固定局型ネバーダイネットワークのプロトタイプを構築し、実際に複数の被災地に設置して機能および性能評価を行い、その有効性を実証した。その成果は複数の国際学会にて発表し、高い評価を得た。これは当初計画では予定していなかった、発展的な成果である。 また、当初は実装のみを予定していた「2.(1)環境適応型ネットワーク制御技術」については、当初予定の実装だけではなく、実環境でのデータを用いた部分的な評価まで行うことができた。これは当初計画では3年目に行う予定としていたものである。 さらに、「3.(2)融合型モデルのプロトタイプ『緊急避難支援システム』」については、当初予定していた人の位置・移動方向推定アルゴリズムの実装だけではなく、複数人の情報を収集して状態学習させる手法にも取り組み、正確な災害検知の可能性を高めることに成功している。 以上から、当初の計画以上に研究開発が進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、下記研究課題について実施する。 1.ネバーダイ通信技術の研究開発--(1)ネバーダイ通信技術(A):実装した災害環境適応型時空間分割通信プロトコルの評価用シミュレーション環境を構築し、端末数を増加させた中・大規模環境での実証実験を行ってその有効性を示す。(2)ネバーダイ通信技術(B):構築したモデル、アーキテクチャのバージョンアップを繰り返し、「途絶えない通信」を実現するための仕組みと技術についてシミュレーション実験によってその有効性を検証し、ネバーダイ・ネットワークのモデルとアーキテクチャを確立する。 2.パッシブ型グリーンICT技術の研究開発--(1)昨年度開発した自律的制御技術について実験と評価を行い、スマートタップなどの計測機器を用いることなくネットワークシステムを省電力化するパッシブ型グリーンICT技術の基盤を確立する。(2)G-MIBの国際標準化: IETF における申請者らの標準実績と経験、および本技術の実装・実験・評価を基に、G-MIBの精緻化・更新を進め、国際標準化活動を継続して標準化を目指す。 3.グリーン/ネバーダイ融合型ネットワークモデルとアーキテクチャ--(1)グリーン/ネバーダイ融合型ネットワークモデルの研究開発:他研究項目の成果を取り入れつつ融合モデルの精緻化をさらに進め、プロトタイプシステムの実証実験の結果から、本アーキテクチャの効果、有効性、適用範囲などを明らかにする。(2)融合型モデルのプロトタイプ「緊急避難支援システム」:昨年度までに開発したソフトウェアを統合して、緊急避難支援システムのプロトタイプシステムを開発する。また、実証実験によりその有効性を示す。 4.基盤技術の確立とまとめ--各分担者との議論を進め、各研究項目の成果を総合的にとりまとめ、省エネ指向ネバーダイ・ネットワークの基盤技術を確立するとともに、これらの成果を内外の学術誌、国際会議に積極的に情報発信を行う。
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