研究課題
3年間の研究期間における最終年度にあたる本年度は,研究期間を通じて一貫して設定してきた3点の目標の各々において,以下に示すような進捗をみた.【目標1】計算法科学オントロジーの定義:殺傷事件に頻度高く現れる損傷の記述を詳述化し,日本法医学会が認める術式において,全損傷の95%に相当する記述能力を達成した.【目標2】計算法科学記述言語LMMLおよびその専用処理系の開発:前年度までに開発したLMMLのオーサリングおよびブラウジングのプロトタイプに対して,その拡張可能性,特にプラグイン可能性を考慮に入れ,本格的なリストラクチャリングを実行し,前年度までと同等の機能を有する処理系の実装を完了した.さらにコンテンツ検索や透明化された導出機能,より本格的な意味処理機能の実現に向けて,意味の数学モデルの理論的枠組みを採用するための基本方針を策定した.【目標3】計算法科学分析可視化ツール群の整備:対象遺体の解剖所見の効果的な入力と,標準デジタル人体モデルとの特徴点マッチングにより,個人の人体の損傷の幾何学的記述機能を実現した.また,循環器系の0次元解析モデルを基に,出血を伴う生体内外の血流解析モデルを6種類開発し.相互の記述能力の比較を行った.なお,本研究の後続研究として採択された科研費基盤研究(A)17H00737「計算法科学データ分析可視化統合環境の強化」では,本研究で開発した,解剖に現れる複雑な証拠事象データ間の相互関係を発見するデータ分析可視化基盤を,さらに捜査や裁判にまで拡充し,判例照合や争点誘導,量刑評価等の複雑なタスクの自動化を目指す計画である.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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画像電子学会誌
巻: 46 ページ: 223-224
巻: 46 ページ: 224-225
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