研究課題/領域番号 |
26240025
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
嵯峨山 茂樹 明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00303321)
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研究分担者 |
小野 順貴 国立情報学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (80334259)
堀 玄 亜細亜大学, 経営学部, 教授 (60322658)
堀内 靖雄 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (30272347)
中村 和幸 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40462171)
北原 鉄朗 日本大学, 文理学部, 准教授 (00454710)
齋藤 康之 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40331996)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自動作曲 / 自動伴奏 / 演奏支援 / 自動編曲 / 運指決定 / 自動和声付け / 隠れマルコフモデル / 音楽情報処理 |
研究実績の概要 |
本研究は、音楽の作曲・演奏・信号の3階層間の融合処理を目指すもので、以下のような多彩な成果を得た。ユーザーによる誤りや任意の弾き直し・弾き飛ばしを含む演奏に追従できる自動伴奏技術の研究・開発を行い、遷移確率行列がベクトルの外積で表されるHMM(隠れマルコフモデル)を考案して計算量を大幅に低減するアルゴリズムを導出し、楽譜追跡の精度が向上することも確認した。緩く同期した多声部の演奏を記述する出力合流HMMを考案し、楽譜追跡、ピアノ運指の自動決定とリズム採譜の精度向上を検証・確認した。ステレオ音楽音響信号に対し、時間周波数領域の位相差に情報を埋め込む頑健な音響電子透かしの手法を開発し、国際会議IIHMSPで優秀論文賞を受賞した。HMMによるギターのための自動編曲では自動的に最適な移調を決定する方法を提案した。ギター演奏者の左手と右手を独立にモデリングすることにより、ギターに特徴的な 演奏法を利用する自動編曲が可能となることを示した。伴奏システムにおいて、人間の演奏リハーサルによりテンポ変化プランを推定し、テンポ変化の大きな楽曲に対し、追従性能を向上した。名演奏の合奏の録音データを詳細解析し、間同士の合奏で互いに聴き合いテンポ制御するモデルを実現し、録音された合奏データでの評価実験で予測精度の向上を確認した。ギターを計算機への入力手段として活用するために、ギター演奏をMIDI化する技術の開発に取り組んだ。メロディをより抽象度の高い表現に変換し、専門知識なしにメロディの操作・加工を実現する方法を検討した。ジェスチャ認識による自動譜めくり、MIDIファイルからのタテ線譜の生成、画像の印象にマッチした楽曲の半自動生成、ARによる古墳の遺物と発掘調査状況の表示と雰囲気にあった楽曲生成、既存の楽曲のダンス調への変換、自動伴奏の表現力向上のためのMIDI演奏表情付けの基礎検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調と言ってよいであろう。研究成果も順調に生み出せているし、分担者同士の交流や協力関係もうまく行っている。予期しなかったことは、年度途中で研究員が辞職したことであるが、直ちに後任の募集を行って決定した。
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今後の研究の推進方策 |
後任の研究員については、特性に合わせて研究テーマを少し別方向から開始し、やがて計画通りの路線に繋げる方針を取った。また、それに伴って、予算の一部を翌年度に繰り越した。
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