研究課題/領域番号 |
26240032
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
栗原 聡 電気通信大学, 情報システム学研究科, 教授 (30397658)
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研究分担者 |
淺井 義之 沖縄科学技術大学院大学, その他の研究科, 研究員 (00415639)
鳥海 不二夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30377775)
我妻 広明 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (60392180)
諏訪 博彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70447580)
菊池 康紀 東京大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70545649)
篠田 孝祐 電気通信大学, その他の研究科, 助教 (90533191)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 農作業暗黙知 / 多段創発 / センサーネットワーク / データマイニング / マルチモーダル / 形式知 / サトウキビ / 育種 |
研究実績の概要 |
今年度は,初年度での圃場へのセンサー設置や現場からのデータ収集といった準備を経て,具体的な取組を開始した,以下の2つの方向から研究を行った.本研究では,種子島の国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター種子島試験地の協力にて研究を行っている. まず,サトウキビの生育データの解析から特徴抽出を行った.決定木分析から深層学習など,様々な手法を用いて生育データを解析することで,素人が見ても重要な項目をわかりやすく抽出できるか検討を行った.そして,解析結果と育種担当者の知見を比較することにより,育種担当者が普段は無意識に行っていること(気付き)が得られるかどうかの検討も行った.実際に,いくつかの気付きに関する興味深い意見を見出すといった成果を得ることが出来ている. もう一つは,さとうきびという植物の生長に着目する方向からの取組である.さとうきびの成長を予測することは,農家にとってあらかじめ収量を知ることができるという点において重要である.ディープラーニング技術である多層パーセプトロン,コンボリューショナルニューラルネットワークを利用して,気象データ(降水量,日照量,気温)に基づいた,さとうきび成長予測のための基本技術を開発した.例えば,夏までの気象データからサトウキビ収穫期の始まりである12月における仮茎長をある程度の精度で予測することに成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は準備に時間を要したものの,2年目において一定の成果を出すに至っている.ただし,当初想定したレベルでの農作業従事者とサトウキビの生長に関する詳細な行動データの収集が困難なことが判明したことから,野帳を対象とした暗黙知の抽出と,環境データからのサトウキビの発育予測というアプローチにてサトウキビ育種に関する暗黙知抽出を目指すこととした.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である本年は,昨年度の研究をそれぞれ完成させることを目指す,昨年度は野帳データにおいてもある一品種のみでの試験的なマイニングであり,より多くのデータに対する解析を行う.またサトウキビ発育予測においても,その予測精度の向上,ならびに昨年度は利用していない様々な環境データを利用することで予測精度の向上の可能性について検討する.
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