研究課題/領域番号 |
26240040
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
下条 誠 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90292474)
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研究分担者 |
明 愛国 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50239456)
鈴木 陽介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20582331)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 触覚センサ / 遠隔操作 / 近接覚センサ |
研究実績の概要 |
(1)知的ロボットハンドの研究開発 触覚・近接覚・すべり覚を統合した近接覚制御型知的ハンドの実現を図る。このため,①対象物を検出・追従し,②物体形状に応じて多指が自律的に倣い,③指先の同時接触による掴み動作を行う。そして④触覚を用いて,対象物を落とさない適切な把持力での把持を行う。このため以下の研究開発を行った。(1)これまでに近接覚出力とハンドモータを直結・制御により可能なことを実証した。本年度は主に,光学系近接覚を用いたときの欠点である表面反射率の影響を補償する方式の導入,並びにTime-toContactと呼ばれる生物的視覚情報処理方式の導入を行うことで,多指が自律的に対象物面に正対し,同時接触が可能な制御の実証を行った。また同じようなアルゴリズムをハンド系のみでなく,アーム系制御へ拡張する試みを行った。(2)近接覚とハンドモータを直結・制御するセンサ・モータ系の展開として,モジュラー方式で構成できるハンドをRCサーボを用いて試作した。(3)これまでに,マニピュレータとハンドを統一的に制御するSimulink とdSPACE を用いたシステム開発した。今年度は新たなマニピュレータを導入し統合的制御系への改良開発を行った。 (2)知的ハンドを用いた遠隔操作システムの構築 開発する知的ロボットハンドは,対象物近傍まで誘導すればハンドが自動的に把持を行う。このため,操作者はカメラ画像を見ながら物体近傍までハンドを近づけるだけでよく,遠隔操作での確実性と高速性の向上が達成できる。これまでに移動台車上にマニピュレータを実装し,試作したモジュラー方式ハンドを取付けたシステムを構築・実験を行った。また操作者への触覚提示を行える触覚提示装置を試作し基礎実験を行った。これによって,より適切な遠隔操作の支援情報提示とマニピュレータ・ハンド系の自律動作の統合による遠隔操作システムが構築できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
触覚・近接覚・すべり覚を統合したハンドで近接覚出力とハンドモータ系を直接結合した近接覚制御型知的ハンドの実現を図るため,近接覚とハンドモータ系のローカル制御系で可能な事を実証してきた。本年度は,この制御方式をアーム系まで拡張し,ハンド・アーム系までもこのような制御系(Subsumption Architecture、包摂アーキテクチャ)で制御できることの見通しが付いた。 また遠隔操作への応用を図るため,移動台車に取付けたハンド・アーム系を新たに構築し,動作確認を行うなど順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
触覚・近接覚・すべり覚を統合したハンドで近接覚出力とハンドモータ系を直接結合した近接覚制御型知的ハンド・アーム系の制御系(Subsumption Architecture、包摂アーキテクチャ)の完成と,移動台車を用いた遠隔操作システムでの検証実験を行い,その有用性を実証を図る。
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