研究課題/領域番号 |
26240044
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中谷 純 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90420463)
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研究分担者 |
荻島 創一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (40447496)
立川 察理 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (90621483) [辞退]
今井 健 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401075)
永家 聖 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助手 (00726466)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オミックス / ICD / 臨床情報モデル / 全ゲノムシーケンス / マークアップ言語 / マルチエントリーポイント / 国際標準化 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、階層化されたオミックス医療情報のデータ交換を可能とするデータ交換フォーマットを構築した。ゲノムの遺伝子変異情報に始まり、トランスクリプトーム、プロテオームからフェノームに至る階層オミックス情報、医療情報、環境情報といった多次元・多因子・多階層にわたるオミックス医療情報について、そのデータ要素項目と意味関係に分離して記述することのできるデータ交換フォーマット方式を開発・標準化する案を作成した。データ要素項目のエントリーポイントは、任意のエントリーポイントを設定できるようなマルチエントリーポイント方式を開発した。要素データと意味関係を分けた情報モデルとし、意味関係としては、要素データの階層関係を表現可能とし、多軸的・多面的なオントロジー案を作成した。意味関係については、その関係性を確率表現とともに記述した上で、意味関係のみを抽出して独立に表現可能とする機能を開発収載した。 iCOSを試作した。iCOSの開発のなかで逆転写情報モデル、OML、WGMLといった多軸構造対応モデルの施策を行った。データフォーマットは、GSVMLの発展型としてOML(Omics Markup Language)、WGML(Whole Genome Markup Language)を開発し、これらの国際標準化活動を開始した。OML、WGMLについては、ISO TC215 WG2において、GSVMLの付加構造として日本のJISCから国際標準化に向けた提案を行い、プロジェクトが発足し、現在、すでに検討に関する投票がなされている状態である。OMLは国際標準(IS)をめざし、WGMLはTechnical Report(TR)を目指している。また、このプロジェクトと連動し、WHOにおいては、ICD11のジェノミクス関連サブモデルであるiCOSがWHO-FIC会議で2年連続で取り上げられ、プレゼンテーションアワードを受賞した。iCOSは、ICD11のサブプロジェクトとして独立し、WHO-FIC ITCにおいて、主要課題として検討されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iCOS(ICD 11 Clinical Omics Sub information model) の開発の中で、逆転写モデル、OML、WGMLといった多軸構造対応モデルの施策を行った。OML、WGMLについては、ISO TC215 WG2において、GSVMLの付加構造として日本のJISCから、国際標準化に向けた提案を行い、プロジェクトが発足し、現在投票がなされている状態である。また、このプロジェクトと連動し、WHOにおいては、ICD11のジェノミクス関連サブモデルであるiCOSがWHO-FIC会議で2年連続で取り上げられ、プレゼンテーションアワードを受賞した。iCOSは一つのプロジェクトとして独立し、WHO-FIC ITC(Informatics and Terminology Committee)において、主要課題として検討されている。
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今後の研究の推進方策 |
1. 要素データの情報モデルの構築 前年度の予備的検討を踏まえて、要素データとなるゲノム、トランスクリプトーム、プロテオームからフェノームに至るさまざまなオミックス情報と臨床情報、その付加情報のデータ交換を可能とする情報モデルを構築する。XML形式の情報モデルとする。データ要素項目のエントリーポイントは、任意に設定可能なマルチエントリーポイント方式とする。ゲノムの遺伝子変異情報については、ISO 25720 GSVMLにしたがう。トランスクリプトーム情報については、iCOS β Transcirptome Moduleを基にし、MIAME形式との整合性をもたせる。 2. ICD11コンテンツモデルとの整合性検証 ICD11コンテンツモデルとの整合性検証は、要素データの情報モデルで定義される項目の意味的整合性とオミックス情報記述性との整合性の観点から行う。また、臨床オミックス情報モデル作成に必要な構成要素、他の標準臨床医学情報モデルとの連携性、概念対応の違いなど、臨床オミックス情報モデルをICD11の中で実効させるために必要な情報を明らかにする。 3. WHO-TAG-HIM会議における情報交換 WHO-TAG-HIM (Topic Advisory Group for Health Informatics and Modeling)は、WHOの諮問委員会で、ICDの電子化における実務上の決定権をもっている。ネットワークミーティングが随時ジュネーブで行われるので、そのミーティングに出席し、ICDのモデル化作業に関する情報収集と意見交換を行う。また、随時、WHO-FIC, 内科TAGなどへも参加し、情報交換を行う。
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