研究課題/領域番号 |
26241031
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加河 茂美 九州大学, 経済学研究院, 教授 (20353534)
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研究分担者 |
小野 廣隆 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (00346826)
SHIN KONGJOO 九州大学, 工学研究院, 特任講師 (30757232)
石黒 一彦 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (60282034)
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
南齋 規介 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (80391134)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サプライチェーンネットワーク / 複雑さ / 国際貿易 / 二酸化炭素排出 / ポスト京都議定書 |
研究実績の概要 |
2016年度は、前年度に開発された世界多地域産業連関表に基づくCO2排出クラスター分析の結果の信頼性を評価するためのクラスターの安定性評価方法を開発し、その実証分析を行った。分析の結果、Kagawa et al.(2015)で推計・分析されたグローバルサプライチェーンネットワークに関する基準化切断値(クラスター分割の善し悪しを図る一つの尺度)は、データと採用される分割アルゴリズムに関して不安定であるものの、Kagawa et al.(2015)で得られたCO2クラスター情報は信頼のおける結果であることが示された。本研究で開発された安定性評価手法は、社会ネットワーク分析や生態ネットワーク分析などの他分野においても適用可能であり、クラスター分析結果の信頼性を評価する上で決定的に重要である。本研究成果は、構造経済学の査読付き国際誌であるJournal of Economic Structures誌(Springer)に掲載された。また貿易に付随するCO2排出量を捉えるためにグラビティモデルのセットアップを行い、まず先行してデータ整備がされていた資源貿易に関するグラビティモデルの推計を行い、資源貿易の社会経済的な決定要因を分析した。本研究成果は資源経済学の査読付き国際誌であるResources Policy誌に掲載された。前述したCO2排出クラスター分析は資源貿易ネットワークにも適用可能であり、プラチナ貿易ネットワークについて適用を行い、プラチナ貿易の密なグループ国の識別と当該貿易グループが直面する資源調達リスクの定量評価も行った。本成果も資源経済学の査読付き国際誌であるResources Policy誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
グローバルサプライチェーンに付随するCO2排出のみならず資源貿易にまで研究の領域を広げることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はより政策分析、シナリオ分析の方向に推進し、グローバルサプライチェーンネットワークにおいて特に優先順位の高い部門、サプライチェーンパスなどの抽出を行い、具体的な政策提言を行っていく。
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