研究分担者 |
宮腰 哲雄 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (00062018)
渡辺 敦史 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10360471)
船田 良 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20192734)
小谷 二郎 石川県農林総合研究センター(林業試験場), 石川県農林総合研究センター(林業試験場), 研究員(移行) (40450811)
升屋 勇人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70391183)
安部 久 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80343812)
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研究実績の概要 |
漆生成量の異なるクローンに対し、植物ホルモン(シグナル物質)の一種でエチレン前駆体であるエスレルを処理した結果、漆生産量の多いクローンは樹脂流出量が多く、樹皮の反応性が高いことを明らかにした。一方、漆生産量の異なるクローンに対し傷及びエスレルを処理後に樹皮や形成層を含む部位を採取し、刺激応答に関わる遺伝子発現情報を検討した結果、クローン間で大きく異なる遺伝子数は112遺伝子存在していること、収集した遺伝子情報が42,519遺伝子に収束していることを明らかにした。さらに、得られた42,519遺伝子を利用して主成分分析を行った結果、傷をつけた処理(傷のみ処理)と傷をつけた後にエスレルを処理(エスレル処理)、それぞれ両処理の時系列における遺伝子発現の挙動は大きく異なり、エスレル処理が傷のみ処理とは異なる刺激を与えていることを明らかにした。また、エチレンに関連する遺伝子を42,519遺伝子から抜き出し、その発現挙動を調べた結果、18遺伝子のうち、3日目に強く発現する3遺伝子、14日目に強く発現する8遺伝子が認められた。エチレンと関連する遺伝子群のうち、3日目もしくは14日目に強い発現挙動を示す遺伝子は、漆生成量と関連する可能性があることを明らかにした。以上の成果の他に、漆生産量に関わる立地環境及び林分状況の影響を解明し、漆生成に関わる胴枯病(仮称)の病原菌が、分子生物学的手法ならびに形態的特徴から新種Diaporthe toxicodendriであることを明らかにした。
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