研究課題/領域番号 |
26242033
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今村 文彦 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (40213243)
|
研究分担者 |
後藤 和久 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (10376543)
遠田 晋次 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (80313047)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 津波堆積物 / 地殻変動 / 土砂移動 |
研究実績の概要 |
岩手県野田村において古津波調査を実施した.新たに開発した数値計算法も活用して津波堆積物認定を行い,貞観津波等に相当する可能性のある古津波堆積物が存在することを明らかにした.陸前高田市においては偽礫を用いた年代測定を実施し,この手法により高精度で年代制約を行うことができることを明らかにした.また,巨礫堆積物も古津波の有力な物証となりうることから,三陸地方沿岸部においてその分布を把握する調査を実施した. 数値計算については,まず広域的な伝播・遡上計算を実施し,波源により八戸市における津波高が周囲と比べて優位に高くなることを確認した.そこで,この計算結果に基づき同市において予備調査を実施し,津波堆積物の可能性のある砂層を確認した.また,土砂移動計算の精度検証用に,土砂の堆積のみならず海域や陸域・湖沼等における侵食も考慮したデータを取得した.陸前高田市において3.11津波についての土砂移動計算を実施し,実スケールでの大規模津波による土砂移動計算を実施した.さらに,台風の高波・高潮を推算して対象の堆積物分布を説明できるか検討する手法を開発し,その妥当性を検討するとともに,野田村の調査結果に適用した. さらに,三陸海岸の超長期地殻変動を明らかにするため,最終間氷期海成段丘と海岸平野下の沖積層の調査を行った.三陸海岸北部(八戸~久慈)では,最近10万年間の確実な隆起の証拠(海成層とテフラ)が認められたが,三陸海岸中南部(久慈~鮎川)では,海成段丘である地質学的証拠を得ることができず,北部との変動様式の違いが明らかとなった.一方,完新世の地殻変動解明のため,気仙沼大川平野でのボーリングコアを用いて,層相解析・詳細年代測定を行った.その結果,約1万年前の相対的海水準が同時期の地殻変動を含まない相対的海水準よりも低く,当該地域は沈降が卓越している可能性が示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの成果を出しており,概ね予定通りである.
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更は無く,平成28年度(採取年度)の計画を提出している.
|