研究実績の概要 |
平成27年度は、ナノ・マイクロスケールにおいて、実験と理論、数値シミュレーションを駆使し、バクテリアの鞭毛が歳差運動することを明らかにした(Shimogonya et al., Sci. Rep.)。この成果はASCII.jpや財経新聞で取り上げられ、大きな反響を呼んだ。この他に、遊泳繊毛虫の走地性 (Ishikawa et al., Proc. Roy. Soc. A)や精子の走流性(Omori & Ishikawa, Phys. Rev. E)のメカニズムを明らかにした。 マイクロ・セミマクロスケールにおいては、血流中のがん細胞の挙動(Takeishi et al., Phys. Rev. E)を明らかにした。この成果はINSIDE SCIENCEに取り上げられ、高い評価を得た。また、微生物群が集団遊泳構造を形成するメカニズムを明らかにした(Kyoya et al., Phys. Rev. E)。 セミマクロ・マクロスケールでは、細胞懸濁液の粘度特性 (Matsunaga et al., J. Fluid Mech.)、および物質吸収特性(Ishikawa et al., J. Fluid Mech.)を明らかにし、細胞サスペンジョン解析プラットフォームに必要な各テンソル量をデータベース化した。さらに、細胞懸濁液のマクロな分布特性を解明した(Nonaka et al., Biol. Open)。 これらの研究成果を細胞操作技術へと応用し、流体力を利用したマイクロロボット を開発した(Ishikawa &Vladimirov, J. Fluids Eng.)。さらに、医療機器への応用を目指したバイオチップを開発した(Saadatmand et al., J. Biomech.)。
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