研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の活動の促進によって認知症予防を目指すポピュレーション・アプローチのシステムの構築と効果検証を行うため、自治体、企業、住民と共同して研究を推進している。対象とした自治体は、愛知県高浜市(人口46,000名、高齢化率17%)である。平成28年度は、ベースラインデータ取得のための高齢者機能健診を住民スタッフの協力を得て実施した(平成27年度9月開始)。母集団は高浜市在住の60歳以上の者10,982名であり、そのうち機能健診受診者数は4,122(女性:2,319、男性:1,803、平均年齢:71.4歳)名であった。活動促進のための活動量計の配布は4,101名に実施した。高浜市内の98か所の健康自生地に活動量データ収集の端末(ホコタッチ)の設置を行った。健康自生地での活動を推奨し、活動状況をモニタリングしているが、過去最高通信回数は一日平均536回であった。健康自生地におけるホコタッチの利用総数は2779名であり全登録者(4077名)の68%であった。また、休まず装着している高齢者の割合は71.7%、装着時間は10.1時間、平均歩数は5112歩であった。各自生地別のホコタッチの利用状況をみると、公共施設(公民館、ふれあいプラザ)や薬局、ショッピングセンター、銭湯など比較的人が集まりやすい場所においてその利用者数が多かった。その他、アウトカム情報を得るために要介護認定情報や診療情報明細書データを取得しておりデータベースの構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、平成27年度から実施してきた、ベースラインデータ取得のための高齢者機能健診を行い4,122名の高齢者が参加した。機能健診参加者のうち活動量計の配布者は4,101名あり、市内に点在する健康自生地での活動推奨し、活動状況をモニタリングしている。高浜市内の98か所の健康自生地に活動量計データ収集端末の設置が完了し、延べ170,428回の通信が確認できた(一日平均536回)。健康自生地における活動量計データ収集端末(ホコタッチ)の利用総数は2779名であり全登録者(4077名)の68%の高齢者が利用していた。各自生地別のホコタッチの利用状況をみると、公共施設(公民館、ふれあいプラザ)や薬局、ショッピングセンター、銭湯など比較的人が集まりやすい場所においてその利用者数が多かった。その他、アウトカム情報を得るために要介護認定情報や診療情報明細書データを取得しておりデータベースの構築を進めている。以上から、本研究は順調に進捗していると考えられる。
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