研究課題
本研究では,使用者が脳内でロボットを自身の身体の一部として知覚可能な制御技術の開発を目指している.「道具の身体化」という脳内の認知モデルに着目し,ロボット・人間一体型という一個体として制御することを目的とする.最終年度の成果を以下に記す.1.身体化を脳内に誘発可能な制御:上肢切断者において皮膚表面形状の変化である筋隆起を計測し、意図する手関節角度の推定を行った.筋隆起は上肢切断者においても認められ,手関節角度の推定に使用可能であることを確認した.従来の義手自由度のパターン制御に対し,意図する角度を出力可能な比例制御を実現することにより操作者にとって身体化を誘発するための制御手法を搭載した機器の提供が可能となることが期待される.2.身体化を知覚可能な義肢の実装: 昨年度までに開発した電動義手を日常生活で使用するための装飾手袋を開発し,伸縮可能な筋電センサバンドと共に実装した.また,3Dプリンタを用いた義肢装具の部品を使用する上での部品強度の評価を行うことで,前腕切断者において身体化を知覚可能にするために必要な義手本体・センサ・手袋の実装に関する知見を得た.3.身体化による全身協調動作の評価:本研究が対象とする適用先の一つである電動義手に関して,義手の制御性能だけでなく身体計測を用いた評価を行った.自由度の少ない義手を使用することによる可動関節の減少により,残存する他の関節に代償的な運動が生じる際の上肢動作を計測し評価した.義手を身体の一部として知覚するために,各関節が協調的に動作することによる代償運動の少ない義手の操作方法の提案が必要であることがわかった.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.hi.mce.uec.ac.jp/yklab/index.html