• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

マイオカインの探索とその生理作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26242068
研究機関首都大学東京

研究代表者

藤井 宣晴  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (40509296)

研究分担者 眞鍋 康子  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60467412)
中川 嘉  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (80361351)
井上 菜穂子  日本大学, 生物資源科学部, 助教 (00509515)
古市 泰郎  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40733035)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードマイオカイン / 骨格筋 / 分泌 / 筋収縮 / 構成性分泌 / 調節性分泌 / 筋サテライト細胞
研究実績の概要

平成27年度は、平成26年度に同定した複数のマイオカインそれぞれについて、生体内における役割の重要度を見極めて解析対象を絞り込むことを目的とした。
まずは、骨格筋特異的にまず骨格筋に特異的に活性を示すプロモーター(24Bプロモーター)の下流に転写因子GAL4をコードするGAL4遺伝子を持った系統を、首都大学東京の保存系統から入手した。また、GAL4の認識配列であるUASの下流に標的マイオカインの発現を抑制するRNAi持った系統をショウジョウバエ・ストックセンター(Vienna Drosoophila RNAi Center)から購入した。これら2つの系統を交配させ、得られた子の世代を実験に用いた。
構築した遺伝子組み換えショウジョウバエ・システムを用いて、各マイオカインの発現を抑制したモデルを作製した。その結果、約2割のマイオカイン抑制モデルにおいて、一日行動量・日内リズム・飛翔筋の異常に起因した羽形態の変化・(運動量)負の重力走性のいずれか、あるいは複数に変化が認められた。特筆すべきは、寿命に表現型が現われた系統が4つあったことで、短縮が2系統、延長が2系統であった。寿命に関しては、短縮した場合も延長した場合も、最大で25%の変化が観察された。骨格筋特異的なノックダウンで寿命が延長する系統が現われる事は、予想外の結果であった。
これらとは別に、平成26年度に行っていたマイオカインの同定も並行して進め、新規のマイオカインをさらに5分子同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は、これまでに同定されたマイオカインの中から、生体内においてより重要な役割を有する分子を見極めて、解析対象を絞り込むことを目的とした。骨格筋特異的なマイオカイン・ノックダウンを可能とする遺伝子組み換えショウジョウバエを作製してスクリーニングを行ったところ、4系統において寿命の短縮あるいは延長が観察された。発現抑制の部位が骨格筋のみに限定されているにも拘らず寿命に変化が生じるという事は、それらのマイオカインが個体において何らかの重要な役割をになっていることを物語っている。これらの発見ができたことは、本研究の大きな進展である。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、平成27年度に発見した寿命に変化を生じさせるマイオカインについて、その生理機能の解明を目的に、遺伝子組み換えマウスを作製する。
時間的な制約があるため、平成28年度は、寿命に変化が生じた4つのマイオカインのうち、短縮した分子を1つ、および延長した分子を1つ選択し、集中して研究を進める。前者に関しては、骨格筋特異的な過剰発現を、また後者に関しては骨格筋特異的なノックアウトを試みる。いずれの場合も、骨格筋特異的な発現ヴェクターとして、ヒトαアクチン・プロモータを使用する。ノックアウト・マウスの作製に私用するCreマウスは、筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構の中川嘉博士から譲渡を受ける。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Joslin Diabetes Center/Harvard Medical School(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Joslin Diabetes Center/Harvard Medical School
  • [国際共同研究]

    • 他の国数
      1
  • [雑誌論文] Evaluation of an in vitro muscle contraction model in mouse primary cultured myotubes.2016

    • 著者名/発表者名
      Manabe Y, Ogino S, Ito M, Furuichi Y, Takagi M, Yamada M, Goto-Inoue N, Ono Y, Fujii NL
    • 雑誌名

      Anal Biochem

      巻: 497 ページ: 36-38

    • DOI

      10.1016/j.ab.2015.10.010

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Contraction stimulates muscle glucose uptake independent of atypical PKC.2015

    • 著者名/発表者名
      Yu H, Fujii NL, Toyoda T, An D, Farese RV, Leitges M, Hirshman MF, Mul JD, Goodyear LJ.
    • 雑誌名

      Physiol Rep.

      巻: 3 ページ: e12565

    • DOI

      10.14814/phy2.12565

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Early pathogenesis of Duchenne muscular dystrophy modelled in patient-derived human induced pluripotent stem cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Shoji E, Sakurai H, Nishino T, Nakahata T, Heike T, Awaya T, Fujii N, Manabe Y, Matsuo M, Sehara-Fujisawa A.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 5 ページ: 12831

    • DOI

      10.1038/srep12831

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A fragmented form of annexin A1 is secreted from C2C12 myotubes by electric pulse-induced contraction.2015

    • 著者名/発表者名
      Goto-Inoue N, Tamura K, Motai F, Ito M, Miyata K, Manabe Y, Fujii NL.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biochem.

      巻: 411 ページ: 173-180

    • DOI

      10.1007/s11010-015-2579-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 筋萎縮および筋肥大研究のための骨格筋培養細胞モデルの創出2015

    • 著者名/発表者名
      藤井宣晴
    • 学会等名
      日本分子生物学会 ワークショップ
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-12-02
    • 招待講演
  • [学会発表] IL-6は筋収縮のカルシウム放出をトリガーとして分泌促進される2015

    • 著者名/発表者名
      古市泰郎, 眞鍋康子, 高木麻由美, 青木美穂, 藤井宣晴
    • 学会等名
      日本体力医学会大会
    • 発表場所
      和歌山県民文化会館(和歌山県・和歌山市)
    • 年月日
      2015-09-18
  • [学会発表] An in vitro contraction model in mouse primary cultured myotubes using satellite cells originated from EDL and soleus2015

    • 著者名/発表者名
      Manabe Y, Ogino S., Ito M., Furuichi Y., Takagi M.,Yamada M., Goto-Inoue N., Ono Y.,. Fujii NL.
    • 学会等名
      2ndCongress, International Academy of Sportology
    • 発表場所
      順天堂大学(東京都・文京区)
    • 年月日
      2015-09-12
    • 国際学会
  • [学会発表] 筋収縮はカルニチンの取り込みとアセチル化を促進させる2015

    • 著者名/発表者名
      古市泰郎,眞鍋康子,増田和実,藤井宣晴
    • 学会等名
      第23回日本運動生理学会
    • 発表場所
      国士舘大学(東京都・世田谷区)
    • 年月日
      2015-07-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 骨格筋初代培養細胞とC2C12細胞株の細胞特性の検証2015

    • 著者名/発表者名
      眞鍋康子, 荻野慎也, 高木麻由美, 井上(後藤)菜穂子, 山田美緒, 小野悠介 , 古市泰郎, 藤井宣晴
    • 学会等名
      日本細胞生物学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都・江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-30
  • [学会発表] 糖代謝調節に関わる筋収縮調節性マイオカインの探索ストラテジー2015

    • 著者名/発表者名
      藤井宣晴
    • 学会等名
      日本糖尿病学会 シンポジウム
    • 発表場所
      海峡メッセ下関(山口県・下関市)
    • 年月日
      2015-05-22
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of a new in vitro skeletal muscle contraction system2015

    • 著者名/発表者名
      Manabe Y, Inagaki A, Maruo K, Tamura K, Furuichi Y, Fujii N.
    • 学会等名
      12th Asian Congress of Nutrition
    • 発表場所
      Yokohama Pacifico(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2015-05-15
    • 国際学会
  • [図書] Musculoskeletal Disease Associated with Diabetes Mellitus2016

    • 著者名/発表者名
      Fujii NL
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      Springer
  • [備考] 運動分子生物学研究室

    • URL

      http://www.comp.tmu.ac.jp/muscle/kennkyuugyouseki.html

URL: 

公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-02  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi