研究課題/領域番号 |
26242073
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90169839)
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研究分担者 |
北 将樹 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30335012)
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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研究期間 (年度) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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キーワード | アプリロニンA / タンパク質間相互作用 / 海洋天然物 / アクチン / チューブリン |
研究実績の概要 |
海洋天然物アプリロニンAは、アクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用を誘導することにより、強力な抗腫瘍性を発現する。本研究では、この活性発現機構の詳細を明らかにしつつ、その情報により高活性アナログの開発を目指している。平成27年度には、以下の結果を得た。 まず、アプリロニンAの量的供給を視野に入れた合成研究を行い、以前の合成経路の収率を大幅に改善した経路を確立した。この方法を用いることにより、部分構造を改変した人工類縁体も効率的に合成できることとなった。 また、これまでの構造活性相関研究より得られている情報より設計した簡略化アナログの合成を行い、生物活性を検定した。その結果、この化合物はアクチンとは結合するが、もう一つの標的タンパク質であるチューブリンとは作用しないことが分かった。計算化学により複合体の立体配座を検討した結果、構造を簡略化したために期待される分子構造とならないことが示唆されたため、新たなアナログの設計を行っている。 さらに、天然物をリガンドとする光親和性プローブを開発し、標的タンパク質のチューブリンを標識することを示したが、その効率が非常に低く、さらなる展開研究に使うことができなかった。標識効率を高めるために、光親和性基以外の反応性基を用いる設計を行っている。 一方、ヒトと酵母のキメラチューブリンの作成については、必要とするキメラチューブリンを作成することはできたが、その効率と選択性に問題があったので、他の方法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
化学的研究は順調に進行している。標的タンパク質の標識効率の問題があったが、反応性基の性質によると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
化学的研究は、これまでの計画通り推進する。 標的タンパク質の標識効率の問題があったが、反応性基を改良することにより改善させることができると考えている。 キメラチューブリンの作成については、別の方法を検討する。
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