研究計画に従い検討を進め、以下の成果を得た。 1:昨年度までの検討で見出した、低栄養環境に適応したがん細胞選択的に増殖阻害活性を示すポリブロモフェノール類の作用機序解析を進め、本化合物がミトコンドリア呼吸鎖複合体IIを阻害することを明らかにした。 2:低酸素環境に適応したがん細胞選択的に増殖阻害活性を示すセスキテルペンの標的分子解析を継続して進め、その標的分子がタンパク質のmTORの成熟化に関わる分子であることを明らかにした。 3:昨年度の検討で明らかにした構造活性相関を基に、低栄養環境に適応したがん細胞選択的に増殖阻害活性を示す新規ポリケチドのプローブ分子化を行い、活性を保持するプローブ分子の創出に成功した。更に創出したプローブ分子を用いて、プローブ分子の細胞内局在を調べた結果、プローブ分子がミトコンドリアに局在することを示唆する知見を得た。
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