研究課題
本研究で発見して命名した新規酵素EndoQとEndoMSは未開の地であったアーキアの DNA修復系の理解に大きく貢献した。EndoQは塩基の脱アミノ化、EndoMSはミスマッチ塩基対に対する修復酵素として見つかったもので、これらの基質特異性の詳細な解析に加えて、アーキア細胞におけるDNA修復系ネットワークを解き明かすために、その他の既知酵素遺伝子についても破壊株を作製し、それらの表現型の解析を続けている。さらに、これらの酵素と相互作用するタンパク質を探索し、候補タンパク質を精製して物理的結合、機能的相互作用を解析した。中でもPCNAは両酵素の活性を促進した。Pf-Nob1及びPf-Dim2と命名したRNA制御因子を用いて、16S rRNA前駆体プロセシングの試験管内再構成系を構築した。両因子の協調的制御機構がrRNA前駆体のプロセシングのみならずタンパク質翻訳制御にも関与する可能性を示した。tRNAスプライシングエンドヌクレアーゼ (Pf-EndA)、tRNAリガーゼ (Pf-RtcB)、tRNAリガーゼ活性促進タンパク質 (Pf-Archaease)を用いて、アンチコドンループ領域にイントロンを含む前駆体tRNA を基質として試験管内再構成系を構築したことで、tRNAプロセッシングの反応機構の理解が大きく進んだ。さらに、tRNAエキソン連結に必要な未同定因子の存在が示唆された。アーキアのリボソームに結合性を示す新規因子として発見した2種のタンパク質PF0374の機能解析を進めた結果、PF0374はリボソーム大亜粒子のstalkタンパク質の保存されたC末端と結合しリボソームおよびtRNA依存性のGTPase/ATPase活性を示し、PF0560はリボソーム小亜粒子を効率よく二量化し翻訳を抑制することが判明した。これら新規の翻訳制御因子の機能解析から大きな発展が期待される。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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