研究課題
我々は、3000名近くの脊髄小脳変性症の遺伝子診断をし、優性遺伝で200人以上の原因遺伝子不明の患者検体を有している。その中から、2大家系により、脊髄小脳変性症の新規遺伝子がCACNA1Gの1アミノ酸の変化であることを同定した。今回の目的は、クリスパー法を用いてノックインマウスを作成し、その発症メカニズムを探ること、及び患者末梢血よりiPS細胞を作成し、プルキンエ細胞に分化させその細胞死のメカニズムを解明することである。ヒトの変異を持つノックインマウスをクリスパー法を用いて作成した。そのホモ接合及びヘテロ接合において、時間の経過とともにRota rod及びbeam walking testにおいて、野生型に比べさを認め、運動失調を再現した。また組織学検討では、ホモ接合及びヘテロ接合において小脳プルキンエ細胞の減少を認めた。RNAの発現を検討すると、野生型の小脳において継時的に増加する群と減少する群があるが、ノックインマウスでは逆の挙動を示すRNAの一群が存在し、特に臨床症状発症前の5ヶ月、6ヶ月目から変動する一群のRNAがあり、神経変性に関わるグループと考えられた。今後、その経路を明らかにする必要がある。患者血液から山中法を用いてiPS細胞を樹立した。プルキンエ細胞への分化、神経細胞死を検討したが、分化したプルキンエ細胞が少なく、結論を出すためには、分化の効率化など今後のさらなる検討が必要と思われた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 産業財産権 (1件)
PLOS ONE
巻: 12 ページ: 0177955~0177955
10.1371/journal.pone.0177955
Human Molecular Genetics
巻: 26 ページ: 4429~4440
10.1093/hmg/ddx330
Brain and Behavior
巻: 8 ページ: e00901~e00901
doi: 10.1002/brb3.901