睡眠時の乳児における脳の機能的ネットワークの発達を調べる研究を行った。生後2ヶ月および3ヶ月児を対象とし、睡眠中の脳活動の計測を行った。昼間に研究室に来訪した乳児が自然に入眠した状態で、脳の広い領域をカバーする94チャンネルNIRSを装着した。また、睡眠状態(sleep state)を計測するために、脳波および眼電計測用の電極を装着した。睡眠中の体動等の行動をビデオで観察しながら、約 20分程度の計測を行った。計測終了後、脳波・眼電および行動より、30秒ごとに睡眠を動睡眠と静睡眠とに分類した。NIRSによって得られた酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの相対的濃度変化に関する時系列データに関して、5分以上同一の睡眠状態が継続するエポックを抽出し、機能的ネットワークの指標として、すべてのチャンネル間の時間相関や位相同期の計算を行った。睡眠状態に応じた機能的ネットワークの変化に着目した分析を行った。
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