研究課題/領域番号 |
26244010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井手 誠之輔 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30168330)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00416265)
北澤 菜月 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 研究員 (10545700)
増記 隆介 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (10723380)
畑 靖紀 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部文化財課, 主任研究員 (80302066)
谷口 耕生 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80343002)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大德寺伝来五百羅漢図 / 作品誌 / フェノロサ / バーナード・ベレンソン / 東銭湖 / 明州 / 水陸齋 / 浚渫 |
研究成果の概要 |
南宋仏画の基準作となる大徳寺本は、今日に至る伝来において、異なる時空のコンテクスト間を越境移動してきた。その履歴を起点に展開する事象は、仏画制作と地域社会、外来美術の受容、美術の制度と古美術、東西美術の比較考察という今日的な美術史学の課題を網羅するだけでなく、仏教史や歴史学、宗教学、文化人類学などのさまざまな人文学の領域に対しても、雄弁な視覚資料を提供している。 本研究では、モノの社会生活や越境移動に注目する作品誌の観点から大徳寺本の歴史的役割を検証し、一作品がローカルであると同時にグローバルな言説に対しても開かれた存在であることを解明し、文物研究に対する新しい人文学的アプローチを提示した。
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自由記述の分野 |
美術史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1990年代からの美術史学が課題としてきた近代の制度としての自国美術史を如何に克服していくのかという問題に対して、近年、注目されている作品誌の観点から、一つの作品についての実証的な事例を具体的に検証し、大徳寺本がローカルであると同時にグローバルな言説にも開かれた対象であることを解明したもので、今日的な作品研究のモデルとなる。 今後は、作品誌的観点を発展させ、より広範な研究対象を網羅できる研究手法として、越境文物学という学際研究の可能性を検討している。なお、研究成果は、国際シンポジウムの報告書として出版し、また三カ国語によるウェッブサイトをとしてその概要が広く国内外に周知されている。
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