研究課題
平成26年度は,本研究課題の基盤となる,外国語習得を支える外国語への繰り返し接触による気づき・注意機能およびダイアローグにおける相互的同調機能の発現の基礎的メカニズムに関する理論的・実証的研究を中心に行った。主な研究実績は以下の通りである。(1)全体ミーティングを開催し,「外国語語彙学習における共同注意の役割」,「気づきと関連領域の関係」,「小脳=学習マシン説とfMRI研究で分かること」について検討を行った。(2)「日本人英語学習者の文章理解の自動化プロセスに及ぼす頻度効果」を研究課題として設定し、日本人英語学習者を対象に、文章理解時に特定の構造(関係節)に繰り返し接触することが処理ストラテジーと文章理解に及ぼす影響についての行動実験を行った。これらの成果は,第40回全国英語教育学会徳島研究大会において発表し,論文の掲載が決定している。(3)「日本人英語学習者の語強勢(lexical stress)処理の自動性とその学習メカニズム」を研究課題として設定し、日本人英語学習者を対象とした黙読時のlexical stress処理の学習を観察するための眼球運動測定実験を行った。また、事象関連電位を指標として、音声言語理解時のlexical stress処理を観察するための実験計画を行った。この成果の一部は、言語科学会年次国際大会において発表した。(4)「日本人英語学習者の第二言語産出に気づきおよび注意機能の発現が及ぼす影響」を研究課題として設定し,日本人英語学習者を対象に,絵描写課題を用いて,サンプルテクストの発話あり・なし条件をもうけ,学習者がどのように問題に気づき,続くライティングにおいて修正を行うのかについて調査を行った。この成果は,日本英語教育学会第44回年次研究集会論文集に掲載された。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度の研究計画における目標に照らして,本研究課題の基盤となる,外国語習得を支える外国語への繰り返し接触による気づき・注意機能およびダイアローグにおける相互的同調機能の発現の基礎的メカニズムに関して,理論的・実証的研究を広範囲にわたって進めることができた。
平成26年度に実施した基盤的研究に基づき。平成27年度~平成28年度前期にかけて,外国語処理における繰り返し接触による気づき・注意機能の発現と自動化に関する理論的・実証的研究を行う。さまざまな熟達度を含む学習者コホートを形成し,比較的長期にわたって学習を行い,音韻,統語,意味レベルにおける行動の変容および認知構造の変化を探る。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (36件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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