研究課題/領域番号 |
26244034
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桃木 至朗 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40182183)
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研究分担者 |
栗原 麻子 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (00289125)
秋田 茂 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10175789)
荒川 正晴 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10283699)
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
向 正樹 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (10551939)
水野 祥子 下関市立大学, 経済学部, 教授 (40372601)
飯塚 一幸 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50259892)
田口 宏二朗 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50362637)
後藤 敦史 大阪観光大学, 国際交流学部, 講師 (60710671)
堤 一昭 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70283835)
中村 征樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90361667)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 世界史 / 歴史教育 / 史学史 / 歴史学方法論 / 高大連携 |
研究実績の概要 |
(1)本研究は、専門研究の基礎となるだけでなく、初中等教育の教員を志す学生と現職教員、広く歴史学に関心を持つ知識人や市民にも理解できるような、新しい歴史学入門講義のモデル構築と、そのための入門書の作成を目的とする。研究初年度にあたる今年度は、2名の特任研究員と大学院生若干名を含む事務局を構成し、代表および中心的な分担者、協力関係にある数名の高校教員とともに企画運営や広報にあたった。 (2)活動の中心として、「大阪大学歴史教育研究会」の9回の月例会と、繰越期間中を含め2回の特別例会を開き、歴史学・世界史の研究・教育の動向について研究発表や現状報告をおこなったほか、各大学での史学概論・歴史学入門の開講状況に関する調査を開始した。成果の一部は8月の全国歴史教育研究協議会大会、9月に史学会125周年記念に阪大歴史教育研究会と共催したシンポ(いずれも大阪で開催)などで公表し、年度末には大阪大学歴史教育研究会成果報告書シリーズNo.11を刊行したほか、ホームページ上の「活動記録」による発信も継続しておこなった。また翌年5月開催予定の第3回アジア世界史学会(AAWH)大会で歴史教育に関する複数のパネルを組む準備も開始した。 (3)なお平成26年11月、高等学校における日本史の必修化について中央教育審議会に諮問がなされた。このため、現行必修または必修化検討中の他の歴史系科目と比較して、歴史教育全体をどう変化させるかの検討が研究遂行上必要と判断されたので、日本史のアジア史、世界史との関連性や、研究方法の共通点と差異についてより詳細に検討し、成果をAAWH大会の発表・討議に組み込むこととして、資金の一部を27年度(5月まで)に繰り越した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歴史学・世界史の研究・教育の主要動向についての調査研究、そのための公益財団法人史学会や高校教員組織との協力、それらの成果の発表、さらに国際会議での発信・討議の準備などについては、どれもほぼ予定通りに進展した。しかし、唯一、高校歴史教育における日本史必修化をめぐる文部科学省・中央教育審議会の新しい動きのため、世界史と日本史の関連づけについて予期していなかった検討が必要となり、資金の一部を繰り越して次年度の初めまで研究を継続することとなった。この点で、課題進捗状況はやや遅れが出たと評価せざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
歴史学・世界史の研究・教育の主要動向についての調査研究および、2年目に繰り越された世界史と日本史の関連づけの検討について早期にめどをつけるとともに、本研究課題の柱となる分野ごとの入門・解説の作成に向けて、課題メンバーの分担に従い報告・討議を順次おこなう。このほか、大阪大学歴史教育研究会がこれまでに刊行した教養課程用教科書『市民のための世界史』その他の出版物への反応、他大学の歴史学入門講義の開講状況の調査や高校歴史教育・大学入試改革の動向なども勘案しながら、3年目には最終成果物となるべき歴史学入門書の章立ての検討に取りかかり、4年目に執筆ができるよう、着実に準備を進めたい。
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